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微熱に疼く慕情
第1章 【渇いた心】






……チュッ



マスク同士のキスされてパチっと目が覚めた
大智とも目が合う
「今、キスした?」
「え?なに?」
夢…?夢なのか…?
「ちょ、退いて」
ベッドから飛び出て身支度する



「あ〜冷蔵庫、蜂蜜レモン作って置いてるから食べてっ」


「え、マジ?嬉しい、泣きそう」


「あと!ちゃんと食べなよ?外食ばっかじゃなくてさ」


「うーん、お料理苦手…」


「掃除も平日無理でも休みの日、掃除機くらいかけれんでしょ?」


「起きたら夕方だった時あったな…」



洗面所で着替えながら会話して始発で間に合うよう時間を気にしつつも行ったり来たりしてる
一旦帰らなきゃ……
「じゃ、帰るね」とバック片手に靴を履いたら
慌ててやって来た大智がお礼を言ってきた



「うん……もう呼び出さないでよ?次こそは看病してくれる彼女作って」


「そんなの無理だよ……俺には一華だけだもん」


「私、家政婦でも便利屋でもないよ?」


「そんな風に思ってない、昨日は本当に、一華じゃないと無理だった…」


ダメだ、いつまで経っても平行線で時間だけが過ぎていく


「わかったわかった、じゃあまたね!行くね?」


やっと背中向けれたのにグイッと腕を引っ張られ、また向かい合わせになった
ちょっと、遊んでる場合じゃ…


「またねってまた来てくれるって事!?」


「えっ…!?」


「俺はまた、一華と普通に話せる仲になりたい、一華が嫌がる事はしない、知人の1人でも良いから…そしたらどんな事でも這い上がれる気がするんだよ」


「え…?ん…?え…?」


「昨日、一華が来てくれてマジで生きてて良かったって……色んな事あってヘコんだりしたんだけど、一華が優しくしてくれて俺の存在…肯定してくれて…っ」


ちょっと待って……






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