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微熱に疼く慕情
第11章 【普遍的な真理】

お昼なのにBAR?とは思ったけど、
デートに連れてきてもらったのは老舗ホテルのBAR
ランチコースもやっていて
バーカウンターの直ぐ側に巨大水槽を眺めながら
食事も楽しめるとの事
谷川さんは私服もセンス抜群で待ち合わせ場所でも
すぐに見つけれた
約束の時間通り現れた私にホッとしてたね
会社とは真逆のコーデとメイクに本気で見惚れるのやめてくださいね
「普段はこうなんです」って本当の事だし
やっぱり谷川さんも
「会社では眼鏡しててください」と言ってくる
食事も楽しかった
流石と言うべきか、会話の流れもスムーズだし
声のトーンも良い
沈黙も生まれない
「私、初めて人力車乗りました」
「本当?やった、橘さんの初めてゲット」
何か違う意味で聞こえちゃうからやめて
でも等身大というか、無理せず一緒に過ごせてる
時々体調も気遣ってくれるから耳元で
「まだアレ来てないよ」って言ったら顔紅くしてる
教えなくて良い事だけどね
デートが楽しかったのは事実だから
ちゃんとお酒抜きのデートも新鮮だった
「今日はどうだった?俺は、また違う場所でもデートしたいなって思った……もっと色んな橘さんを見たいと思ったよ」
「今日一日全部、新鮮だったし行った事もない場所だったから楽しかったです、はい、また今度、デート連れて行ってください」
「や、やったー!よし!」
近くの住所を言って送ってもらう
車内で手を繋いできたから「危ないですよ」と言いつつ許してしまう
目的地に着いたら脇に停車して
絡めていた指を解いた
本当に今日は何もしない健全なデートらしい
痩せ我慢しちゃって……
「じゃあ、また会社で」
「帰っちゃって良いんですか?」
「え?」
「ん?」

