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微熱に疼く慕情
第2章 【動き出す熱情】





ふはぁ〜と欠伸が止まらない午後
ご飯食べたら眠気が……
眠気覚ましにブラック珈琲を買いにカフェへ立ち寄ると
「会計同じで」と後ろから誰かがタッチ決済してしまった
顔を上げると山岸先輩



「お店入るところ見つけたからつい俺も珈琲飲みたくなって」



奢ってもらったのでイートインする事に
他の社員さんもちらほら居る店内で、曇る眼鏡は取らなきゃいけない
壁側の席で良かった
先輩が気を利かせてくれたんだと思う
先輩の前で眼鏡を外すとニッコリ笑われて
「やっぱり俺だけの特権が良いな」とボソッと言われ顔を覆うくらい赤くなってあげる



「やめてください、そういうの」


「照れてる?可愛い」


「もう…!」



声にならない声で悶絶しながら自然とボディータッチ
「ヤバい、こっち見て?あ、可愛い」って散々イジられて休憩タイムは終わり
お陰で目がバッチリ冴えましたよ



「次の連休、どちらか1日、俺とデートしませんか?」


「あ………はい」


「マジ?よっし、やった、ありがとう」



良い加減教えて欲しいと言われて渋々、連絡先を交換した
もう少し泳がせてみたかったけどね
そしてやっぱり、私と山岸先輩がお付き合いしてるんじゃないかってチラホラと噂が立ち始める
これって、付き合ってるって言った方が面倒くさくないのかな……
でもまだ付き合ってないし
だとしたら100%、私があざといと言われてしまうのだろう
付き合う気もないのにその気にさせるような素振りをしている……



正しくは、付き合う気もないけどセックスはしてみたいと思っている……だよ
なんてな……



でも山岸先輩、人気高いからなぁ……
早いとこワンナイトして終わるか……
終わらせてくれなくて拗れたら、最悪は転職だ



そう思いながら席に戻るとピコンと通知音が……






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