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微熱に疼く慕情
第2章 【動き出す熱情】





(今日そっち行って良い?)って大智から
もう盛大な溜息ものだよね
(ダメ、今日は予定があります)
(男?)
(勝手に来ないでよ?)
(じゃあ、明日は?)
(土曜仕事でしょ?)
(早めに上がれるから会いたい)



明日は、念の為お休みにしてあった
今夜は樹くんとだから空けておきたかったの
まさか前日に会いたいと言われるとは思わなかったけど
今日リスケしたらオコだろうな
大智とどっち取るかって言ったら今夜は樹くんだよ?
昨日のセックス、良かったもん
週末は樹くんに気持ち良くしてもらいたかったんだ



(会えるかわからないよ、仕事忙しいから)
(待ってる)
即レスかよ……
これって家の前で待たれるパターンかな
え、ヤダ……
車はやめておこう……



仕事を終わらせて足早に退社する
風のように去らないと何を言われるかわからない
華金だもん、気を遣う飲み会は嫌だ
本当に知らない人に誘われたら断わりづらい
だからピャッと帰るのが鉄則



美容室で綺麗にカットとトリートメントをしてもらった後、樹くんが終わるまで待ってる
可愛いワンコ、今夜はどんな事しようかなって考えただけでニヤニヤしちゃう



ホテルに先に着いて部屋番号を送るの
全速力で駆け抜けて来てくれるよ
部屋に招き入れたら頼んでおいたルームサービスで乾杯してご飯を食べる
2人きりだし、夜景も見えるし、昨日ぶりの樹くんもはしゃいでる



「今朝、居なくて寂しかった」


「ん、ごめん、起こすのもな…って思ったから」


「全部払ってるとか知らなかったし」


「ご、め、ん……」


「お泊り、だよね?」


「樹くんはお泊りしたいの?」


「え、うん……ずっと一緒に居たいよ」



グラスを置いて、チュッ……



「そうだね、一緒に居よっか」


「うん!やった!」







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