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微熱に疼く慕情
第2章 【動き出す熱情】
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「それ以上近付いたら怒る…」
「はい、すみません…」
生憎、性欲は満たされてるんでね
風邪ひかさない為に同じベッドで寝るだけだから
くっついてきたらマジで蹴り飛ばすって脅しておいた
背中向けて寝たのに……
朝になれば、お互いを抱き枕のようにしてくっついて寝てるんだもん
自分にドン引きだよ
何となく……寒さで目が覚めて、湯たんぽみたいに温かい大智にしがみついたような記憶が薄っすらとある
ちゃんと大智の腕の中でくるまって寝てた
温かくていつもよりぐっすり眠れて寝起きスッキリ
バチッと目が合って、まだ大智の腕の中で……
「多分これ、俺じゃないよ」
「うん……わかってる、寝惚けてたっぽい」
「俺はだいぶ役得だけどね」
「ごめん……」
身体は起きてもまだボーッとしてる私を見て、何も言わなくともせっせと動いてくれる
付き合ってた頃の事、まだ覚えてるの?
キッチンに行って、白湯を用意してくれるし
膝掛けも手元に置いてくれるし、
欠伸しながら朝ごはんの食パンをトースターにセットしてる
普通に出来ちゃうんだね
洗面所で歯を磨いていると隣に並んで一緒に磨き出す
私のタイミングを見てコップやタオルを手渡してくる
え……何?この奇妙な関係は
うがいが終われば「ちょ、ちょちょちょっと!」
必死に阻止したが、危うくまた不意打ちキスを食らうところだった
付き合ってた頃はその流れでキスしてた事、思い出してしまったじゃないか
「あ……ごめんごめん」
つい、じゃ済まされないからね
私も普通に受け入れそうになってた
一瞬、錯覚しそうだった
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