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悪役令嬢は次期公爵のあま〜い♡溺愛をうける。
第5章 第五話
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仰向けに寝転んだクラウィス様は、何だか嬉しそうに笑っていた。
「まさかリーチェに膝枕をしてもらえる日が来るなんて、思ってもみなかったよ」
「ご自分から頼みましたのに?」
「ふふふ。それでもいいんだよ···」
今まで相当疲れていたんだろう。
横になった瞬間に眠たそうに綺麗な瞼がうとうとと細められている。
「クラウィス様、少しだけでもいいから今は眠ってください」
「うん。そうするよ」
どうしていいのかはわからないけれど、クラウィス様の銀髪を梳くようにゆっくりと撫で始めると、静かに寝息を立て始めたクラウィス様。
(·····うわぁ。寝顔まで滅茶苦茶美人)
今まで男の人でこんなに綺麗な人、見た事ないかもしれない。
リーチェが倒れてから解決するまでに、きっと事件の解決まで走り回ったに違いない。
だって、こんなに大切にされていたのだから。
─ズキン。
胸に走った僅かな痛み。
あれ?おかしいな。
だって私はまだクラウィス様と出会ったばかりだというのに。
胸に響いた痛みは、多分恋とは違うものなんだって言い聞かせた。
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