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1995 Winter 俺の初体験の相手は32歳
第10章 上書き保存
確かにそうかもしれない。

この年末の数時間で、俺の男根は、美濃里のヴァギナとアナルを経験した。童貞と穴童貞を美濃里に捧げたことになった。

目の前にある美濃里の顔。目を閉じて、キスを求めているのは容易にわかった。軽く唇を合わせると、

「待っていて」

と、だけ言って、美濃里はバスルームに消えた。俺は、洗面化粧台で歯ブラシに歯磨き粉を乗せて、歯を洗った。キッチンの換気扇がゴオッーと音を立てながらフル回転していた。

寒さを感じた俺は、歯ブラシを洗って、リビングルームに移動して引き出しから着替えを取り出して着た。

バスルームから美濃里の声が聞こえた。呼んでいるのかと思ったが、違った。単に歌を歌っていた。

微かに、

・・・宇宙の風に乗る・・・とだけ、聞こえた・・・。

風に乗る・・・。

行方不明の夫から解放されたいということなのか。まだ、風邪には乗れていないはずだから。

俺は、そう思った。美濃里と二人で、二人だけの世界に・・・。

俺は、ベッドの上や室内を片付けていった。洗濯機の中には、終わった洗濯物があった。それを俺は、寒さを堪えて、ベランダに干した。

天井からぶら下がる物干し竿と、ベランダの壁に着いた物干し竿に干した。

乾燥した冷たい風が吹き抜けていく。干したばかりの洗濯物が風に靡く。

美濃里の地味なショーツにブラ。

洗濯機に放り込んで洗濯していいのかわからないくらい派手なショーツとは違う。

美濃里の本当の姿は、この地味さなのだろう。

ゲーマーの俺に似合っているのは、この地味な美濃里だ。そんな気がした。

寒さに震えながらリビングルームに戻ると、美濃里がちょうど、バスルームから出てきたところだった。バスタオルを身体に巻きつけて、キッチンから俺を見て、

「お世話を掛けます」

と、頭を下げた。多分、片付いた部屋を見ての感想だったのかもしれない。頭を下げたと同時に、はらりと床に落ちたバスタオル。

暗闇に浮かぶ美濃里の白い肌。

「服を取ってくるよ」

俺が言うと、

「いいわ。するんでしょ?ううん、してくれるんでしょ?」

と、美濃里は微笑んだ。

「無理を言わないでくれ。回復できていない」

俺が苦笑すると、

「だよね。でも、あとで、してね」

と、美濃里は俺を見つめた。
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