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俺の瞳にうつしたいものは
第5章 黙って抱かれろ



帰宅してからしばらくは放心状態だった


テーブルの上の小さな鏡を手に取ると
鮮やかな口紅が顔から浮いて見えた

(ほんと、似合ってない……)

胸がないのでワンピースも映えない。

マスカラもアイラインも
すべてが滑稽に見えて目を背ける

(……だけど、
次はホテルで会おうって言われたし
印象は最低、ってことはなかったはずだよね…)

こんなことで  
すこしは色気みたいなものを出せるようになるのかな
なんて

みっともない考えだけど……
何もしないよりマシだと思った


それより。

途中で手を掴まれた時は、本当に驚いた。



(だってあれは確かクラスメイトの滝野くんだった…)







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