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第3章 見習い執事。

その後、少しして元が帰り…
淳と二人きりになる。

菜摘『そんな所でつっ立ってないで
こっちきて座ったら？』

淳『あっ、はいっ！』
部屋の隅に立ち尽くしたままの
淳を手招きして呼び、
自分の前のソファーに座るように
つげると、淳は言われた通り
ソファーに腰を下ろす。

まずは、この見た目から、
どうにかしたいわね。

寝ぐせ、今日のところは
軽く整えて、明日行きつけの
美容室につれていこう…

あとヨレヨレのスーツを
新品に。

そして、この眼鏡も…
伊達なら眼鏡なんてなくても
いいだろうし、
視力に問題があるなら、
せめてもう少し、
スタイリッシュなものか
コンタクトレンズにしてもらえば
いいかしらね。

あとは、基本的な言葉使い方…
まあその辺は徐々になおしてもえば
いいかしら。

あぁ、だけど、
やっぱり、一から全部ね…
ちょっと時間がかかりそう…。

淳『あっあの、お嬢様っ、
俺の顔に何かついてますか？

そ、そ、そんなにじっと見つめ
られたら、俺、俺、どうしたら…』

おどおどと慌てふためく淳。
つい、顔をじっと見ながら考え
こんでしまっていた自分に気づき
優しく声を掛ける。

菜摘『落ち着いて、
なにも、ついてないわ。
ねぇ、淳。
貴方、視力はどのくらい？』

淳『しっ、しっ、視力ですか？』

菜摘『そう。』

淳『長らく測ってないので、
わ、わかりませんが…
ど、ど、どうして、
そ、そんなことを？』

菜摘『その眼鏡を外してみて
ほしいのよ。執事としての
見た目の事もあるけれど、

私基本的に、
人と話すときは、目を見て
話したいの。

けれど、その眼鏡じゃ
あなたの目が見えないでしょ。

一度その眼鏡を外してみて
もらえない？』