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第1章 初体験の夜

「昔か。まだ二十歳のおまえに、思い出す昔なんてあるのか？」

ジョージア様は、私をぎゅっと抱きしめてまたキスをしてくる。

最近は、キスの回数が多い。

「ミリア。俺は早く国王になりたい。国王になって、おまえを迎い入れたい。」

「無理な話です。」

「連れないな。」

私は服を着ると、ジョージア様に一礼をして、部屋を出た。

そして誰にも見られないように、自分の持ち場に戻った。


そこには、他のメイド達がひそひそと話をしていた。

「ええ？結婚が決まったの？」

「そうなの。同じ伯爵家の坊ちゃま。」

私よりも年下の伯爵令嬢の、結婚が決まったらしい。

彼女はメイドと言うよりも、世間を見る為にこの宮殿にやってきた。