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濡れるカラダ《短編集》
第6章 本命になりたくて



「あ〜、ヤリて〜。誰か暇な子いないかね〜」


来る者拒まず、去る者追わず、

「気持ち良くなれるなら、誰でもいい」なんて、適当に選んだ相手に手を出すせいで、いつもトラブルに巻き込まれている…

クズで女たらしな、私の幼なじみ。



そんな春樹のことを好きだと気づいたのは、つい最近のことだった。


「…いい加減、そういうのやめなよ。ちゃんとした彼女を作るとかさ…」

「え、なになに〜?心配してくれてんの?それとも…、やきもち?」

「っ…別に…」


数え切れないくらい沢山の女性と関係を持ってきたくせに、一番身近にいる私には一度も手を出してこない。

今日もこうして、ひとり暮らしをしている春樹の部屋に遊びに来たって、キスの一つもされることはない。

春樹から見た私は相当魅力がないのか、それとも異性として見られていないのか?

…と、いろいろと考え込んでいるうちに「春樹のことが好きかも」という結論に至ったのだ。


「はいはい、分かってますよ〜。凛仔は"そういうの"じゃないもんね?俺みたいな男に捕まる前に、さっさとイイ男捕まえろよ〜」


ベッドの上に寝転んで、スマホを片手に今日の相手を探している春樹。

いつものこと、なのに…

その選択肢の中に「私」が存在していないのが、苦しい。


「…歩美ちゃんも予定あり…、かぁ…。…はぁ〜…、週末はなかなか見つかんないな〜。本命がいる子は特に」


念の為に…と、身体のケアをして。

下着だって、普段より可愛くて、セクシーなものを身に付けてきたのは…、何のため?


「まあ、こういう日もあるっつーことで…。映画のDVDでも借りに行きますか」

「………」


今さら、私ひとりの身体でどうにかなるものではないかもしれないけど。

私だって──。


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