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愛の時間 ○○連発
第38章 枕営業して契約を取り付ける女

「・・・ちゃん」
男の声がぼんやりと聞こえる。
「真由美ちゃん」
今度はハッキリと自分を呼ぶ声がした。
「え?あ、すいません、
ちょっと考え事をしてたもので…」
「いいの、いいの。
急遽バイトのシフトを変えちゃったからねえ
ほんとごめんねえ」
コンビニ店長の天野聡が平謝りした。
今夜、セールスレディと
掛け持ちしているバイト先のコンビニで
深夜シフトの大学生二人が同時に
インフルエンザでダウンしてしまったので
時間が空いているのなら
バイトに出て欲しいと店長から頼まれたのだった。
しかしながら、台風が接近してるとかで、
外は暴風雨が激しくなり、
コンビニは閑古鳥が鳴いていた。
「こんな時にお客さんなんか
来るはずもないよねえ~
これなら俺一人でOKだったよね。
ほんとごめんねえ」
そう言いながら店長の天野が
入口のドアに鍵をかけた。
そして『臨時休業』のプレートをドアに貼ると
看板の電源を落とした。
「どうせ客なんか来ないし、
次の商品搬入までひと休みしましょう」と
言いながら
真由美の腕を取ってバックヤードに連れ込んだ。
「え?いいんですか店長」
いいの、いいの。
あ、心配しなくても
バイト代はちゃんと支払うからね。
バックヤードで売り物の缶コーヒーを
二つ手にすると、
その一つを真由美に差し出した。
「あ、すいません…」
慌ててポケットから
小銭入れを取り出そうとしたら、
「いいの、いいの。サービスだから」と
優しく微笑んだ。
ところで、なにか悩み事でも?
コーヒーを一口飲んで落ち着くと
天野は真由美に問いかけた。
「え?」
「隠してもムダだよ。
こうみえても、ちゃ~んと真由美ちゃんが
いつもと違うってことに気づいてるんだからね」
いた!!
既婚だけれど、
金回りもさほどよくないけど
女にあまりモテそうもない容姿の男が!!

