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愛の時間 ○○連発
第52章 仕事の依頼を体で支払う女

その日の朝、菜々が事務所に顔を出すと、
いつもは遅刻ギリギリに飛び込んでくる修平が
すでに出社してションボリとデスクに座っていた。
「あら、修平ちゃんおはよう。今朝はやけに早いのね。
で、昨夜はどうだったの?言質は取れた?」
菜々がそう尋ねると、
修平は亡霊のように静かに立ち上がり
何も言わずにマイクロレコーダーを机の上に差し出した。
様子がおかしい修平に訝しながらも
菜々はマイクロレコーダーの再生ボタンを押した。
少しノイズがあるものの
二人の会話ははっきりと聞き取れた。
やがて女の口から不倫相手である男の名前が発せられ
不倫しているのだと白状した。
「修平ちゃん、よくやったわ!」
修平を褒め称え再生をストップさせようとしたが
二人の会話はまだ続いていた。
お互いの口調が甘くなってゆく…
音声だけでも女が修平に寄りかかり
お互いの体をペッティングしている様子がうかがえた。
「ホ、ホテルに行きませんか?」
艶めかしい女の姿に負けたのか
修平が口説き始めた。
「あなた、アッチは上手なのかしら?」
「もちろんさ、でなきゃこうしてあなたを口説きませんよ」
「うふふ…それは楽しみだわ…」
マスター、タクシーを呼んでくれます?
そう女が告げたのを聞いて
菜々は荒々しく停止ボタンを押した。
「で…やっちゃったの?」
「すいません…」
迂闊だった…
修平は彼女を好みのタイプだと言っていた。

