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わたしの日常
第1章 義父との馴れ初め
 あの日から一年が経った。薬品売り場にも何度も行った。今日もわたしは、義父の布団に入り込んで、義父が散歩から帰ってくるのを待っている。勝手口のドアが開く音がして義父が部屋に入って来た。
 
 「待たせたね。桜が咲きそうだよ…。今日は何度だった?」

 わたしは体温の管理をするようになった。

 「じゃあ、今日はまだ大丈夫だね」

 服を脱いで裸になった義父がわたしの隣に体を横たえた。義父とはいくらか砕けた会話もできるようになった。

 「悦子さんが正常位が好きなのはわかっているんだが、私がのしかかってばかりだと無理強いしてるみたいでちょっと気も退けるんだよ」
 「布団に入り込んでお帰りをお待ちしておいて、無理強いだなんて言いませんよ。いちばん好きなかたち《体位》はお見通しのとおりですけど…」

 義父の息遣いが間近に聞こえ、甘えた気分で脚を絡めることもできる体位だから好き…とまでは言わなかった。

 「騎乗位も後背位も好きですから…」
 「そう言ってくれるとうれしいがね。一回でも上に乗ってくれると安心するんだよ。なんていうか両性同意のもとで…という感じがしてね」

 一年以上も関係を続けて夫婦のように何度も交わっていても、義父と嫁という拭いがたい背徳感のようなものがあるのだろうか。それはわたしも同じだけど、夫では得られなかった感覚を教えられてしまったことには抗えない。

 「後背位か。後ろやぐら《立ちバック》もいいな。だが、いつもキッチンでしていては悦子さんも飽きるだろうから、もうちょっと季節がよくなったら外に行こうか…」
 「昼日中に外というわけには」
 「いや、散歩していていい場所を見つけたんだよ。ちょっと小高いところで、そこから桜の木が見えて眺めもいいんだ。その割には何度も歩いたが人に会ったことは一度もないんだ」
 「花が咲くのはこれからでしょうから…」
 「ああ、そうか。…まあ、なにもそんな危険をあえて冒すこともないのだけどね。気持ちよく歩いているとつい悦子さんのことを思い出してしまうんだよ。手を繋いで歩いてみるくらいならいいんじゃないか?…まあ、ここからの眺めも結構だね…」

 跨ったわたしを見上げて義父は満足そうだ。
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