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わたしの放課後
第3章 アクメの誘惑
 「そんなつもりで訊いたんじゃないよ。うっかり早く帰ってまた彼と鉢合わせしたら気まずいでしょ」
 「ご協力に感謝してるわ。そうね…遅くても5時には終わらせるようにしているから」

 『5時には終わらせる』…って、5時までしてるんだ…と思った。わたしもそうだけど。試験期間中は毎日おじさんの家に通ってお昼過ぎから夕方までセックスしていたし。

 「塾の生徒が増えてきて私も彼も受け持ちのコマが増えちゃったのよね。塾長さんに『講師の数を増やしてください』ってお願いしたいくらい」

 『増えちゃった』って、彼とセックスする時間が減ってしまって残念…みたいな言い方をする母。それでも口角が上がっている。

 「でも、お母さん、楽しそうだよね。なんかうらやましい」
 「そう見える? そうかあ、そう見えちゃうかあ…」

 『まんざらでもない』様子ってこういう感じのことか、と思う。

 「…とにかく、お父さんにバレないように気を付けてよ。わたしは黙っててあげるから。『お前、いつから知ってたんだ』なんて詰問されたらわたしいやだし」
 「あなたはお姉ちゃんよりしっかりしてるから安心してるわ」
 「安心されても…。お姉ちゃんだって、何かの都合で急に帰ってきたりするかもしれないよ」
 「あの子、家を出てすっかり羽を伸ばしてちっとも帰って来ないし。もう家がどこかも忘れちゃったんじゃないかしら?」

 姉ならそんなことがあっても不思議ではないような気もする。妹が隣の部屋にいてもカレシとセックスしてしまうぐらいだから。でも、さすがに家がどこかも忘れたなんて、たわいもない冗談を言う楽天的な母に少々呆れてしまう。でも、とにかく、楽天的じゃなかったら浮気なんかできないのかもしれない。わたしはおじさんとどういう関係なのだろう。

 わたしはカレシもいないし、もちろん結婚もしていないから『浮気』ではないだろう。むしろ『本気』ではあるのだけど。でも、おじさんと結婚するって本気で思っているわけでもないし…。とりあえず確かなのはおじさんはわたしに『アクメ』を教えてくれた大事な人…ということ…。
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