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わたしの放課後
第7章 恥ずかしい気持ち
 「後になって考えてみると、重松女史が知り合いの人たちに『どこそこのなになにという本屋に置いてもらったから、そこに買いに行ってちょうだい』ってお願いしていたんじゃないかなって気もするね。社に似た雰囲気の品のいい女の人が買いに来たのを憶えているよ。おじさんの奥さんもそう言っていた」
 「いろいろ思い出があるんですね」
 「全部というわけでもないけど、どの本にもなにかしらのエピソードがあったりするものだね。そういう本を見付けてくれた恵子ちゃんはやっぱりセンスがあるんだよ」
 「表紙は綺麗だけど、買うにはちょっと恥ずかしいかも…。だから、表紙はきれいにしたのかな」
 「そうかもしれないね。男の人だと照れ隠しに不機嫌そうだったり、恥ずかしさの裏表でイライラした感じに振舞ったりする人もいるけど、女の人はそういうこともなくてね。堂々としている…というか、恥ずかしい気持ちを味わって愉しんでいるような気もしたね。おじさんの奥さんがお店番をしているときは、いろいろおしゃべりをしていく人もいたしね」
 「女の人なら、お店番が女の人だったら、買いやすいかもしれないですね。わたしだったら、男の人がお店にいたら、こんな本を買っておじさんにどんなふうに思われているのかしら?って、やっぱり恥ずかしいような気がするけど…」
 「どうなのだろうね。目の前にいる人に(あなたは恥ずかしい人ですね?)って思われたら恥ずかしいけど、それでも結局買っているのだからね。自分の内面を晒す恥ずかしさはあるけど、買いたいものを買うというだけって割り切ってしまっているんじゃないかな。それに、秘密を晒してしまうというのは快感だったりするからね。結局、おじさんのことなんかは気にしていないんじゃないかな。むしろ、こっちのほうが意識しちゃったりしてね」
 「きっと、おじさんは秘密を晒しても大丈夫…って思える人だからです」
 「この本のことはなにも知りませんよ、この本を買おうとしているあなたのこともなにも思っていませんよ、って思いながら本を袋に入れて、お金を受け取って…いただけなんだけどね」
 「そういう気持ちで接してくれてるっていう安心感があったからですよ。自分の秘密なんて安心できる人にしか打ち明けられないです…」
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