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わたしの放課後
第1章 おじさんとの馴れ初め
 お茶を飲みながら、おじさんが見つくろってくれたという本をめくってみる。古い本だから当たり前だけど、いつも参考書などを買っている大きな書店では見たことのない本。というか、置いてなさそうなジャンルの本。先週、わたしが選んだようなちょっと変わった恋愛の本…。

 『今日の本、たぶんみんな好きです。なんでわかるんですか?』
 『なんで…っていうこともないけど、もちろん、この前お嬢さんが選んだ本が出発点ではあるけど、あとはお嬢さんからにじみ出てくる『雰囲気』かなあ…。清楚で知的で…きっとちょっぴり…あっ、いや…』

 おじさんはひとりで慌ててまごついている。『清楚で知的』かどうかはわからないけど、おじさんが口を濁した次の特性は…『ちょっぴりエッチ』。おじさんはきっと当ててくれている。だって、この前の本はそういう本だから。

 『お店『ひかり町』にあるんですか?』

 本が入っている紙袋にお店の名前と住所、電話番号がゴム印で押されている。

 『そう。ここから3駅』

 電車の中に掲示された路線図に記された駅名の中に見覚えがあった。

 『今度、行ってもいいですか?』
 『うれしいな。青空市でもなければ店にいるから。ああ、閉まっているように見えても戸は開いているから。また本を見つくろっておくね』

 おじさんがわたしのためにどんな本を用意してくれるのか。そう思うと気分が高揚する。『清楚で知的でエッチ』なわたしに似合う本。おじさんから見ればティーンの女子高生なんて赤ん坊みたいなものだろうけど、わたしは背伸びをしてみたくなる。おじさんに『清楚で知的で』…そして『淫ら』な女と見られたい…なんて。だって、わたしはおじさんにバージンを捧げたのだもの。オナニーの妄想の中でだけど…。

 わたしは家に帰っておじさんが選んでくれた本を読み耽った。3冊目は短編集だった。そしてわたしの背中を強く押す一篇に出逢った。初老の男と少女が愛欲に耽る日々を綴った一篇…。わたしはおじさんとセックスする妄想に耽った。はじめてのときよりもより明確なイメージで…。
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