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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第65章 CM撮影当日 美幸編
「失礼いたします。美幸さんをお連れしました。」

室内へ入ると河海社長ともう一人中年男性がいた。

「やぁ、美幸くんいらっしゃい。今日はとうとう撮影だね。期待しているよ。」

「はい、よろしくお願いします。」

「本来の集合時間は13時、エキストラや梨果くんはその頃来るはずだ。しかしその前に美幸くんに来てもらった意味はおわかりだよね?」

「……はい。」

「そうだ、紹介が遅れたがこちらの方は綿貫プロダクションの綿貫さんだ。彼は間もなくお父様のお仕事を引き継いで代表になられる予定だ。」

「綿貫です。よろしくお願いします。」

中年男性に名刺を渡された。

(綿貫プロの綿貫さん?!)

かの有名な芸能プロダクションの人だった。名刺の正式な受け取り方を知らなかったので戸惑った。

「さ、真田美幸と申します。よろしくお願いします。」

「綿貫さん、どうですか彼女。私のお薦めです。」

棒立ちの私の姿を2人の男性に舐めるように見られる。

「うん、地味だけど顔の造りは整っているからメイクでかなり化けるね。あとその長い黒髪は重たいからヘアアレンジでなんとかするとか……酒井さん、ヘアゴムなんてありますか?」

「はい。」

社長秘書の女性は酒井さんというらしい。ヘアゴムを綿貫さんに渡す。

「ちょっと失礼。」

私の了解を得ず綿貫さんは私の髪を触り、後ろでまとめてポニーテールにした。

「うん、長い首周りがスッキリして少し垢抜けた。」

「さすが綿貫さん。」

確かにポスター撮影の時もスタイリストさんにポニーテールにしてもらった。

「演劇部で活躍されているとか?」

「はい、うちの部の演劇は代々好評をいただいています。」

「なるほど。身長は?」

「156cmです。」

「ふむ……さすがに今日水着の持参は言ってませんよね?」

綿貫さんが女性秘書さんに訊ねた。

「申し訳ありません。失念しておりました。」

「仕方ない、じゃあ下着姿になってください。」

「えっ?!」
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