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第85章 新生クロッキー会①

「受講者が少しずつ集まってきたよ。そろそろ受付を始めよう。」

真田氏と富山氏が受付をして私が会場内を案内した。30分ほどで受付を終了した。

来場者を見ると年齢層が若い。地元の絵画教室は私が一番若いくらい高齢だったが、今日は20代と思われる人々が多かった。男女比は9:1 これは予想通りで女性はたった３人だ。


「それではお時間となりました。先生、それでは始めましょう。」

打合せもなく司会を務めだす富山氏。

「わかりました。」

講師は立ち上がり自己紹介から始める。

「本日はお越しいただきありがとうございます。講師をさせていただきます小山田です。専攻は油画で主に人物画を描いてきました。今回は短時間ですが宜しくお願いします。」

パチパチパチパチ

拍手が起きた。
その時……

『梨果さん、ダメだよこんな水着じゃ！』

『でもこれっきゃ無いんだから今更仕方がないじゃん。』

何やら準備室の中から友也と梨果の言い争う声が聞こえる。

(何があった……？水着……？)

『とりあえず上にセーラー服着るから大丈夫だって！みんな待ってるから出るよ！』

『でも！！』

『いいから富山さんに合図出して。』

友也が不機嫌そうな顔で準備室から出てきて○印を出す。梨果の準備が整ったようだ。

「だ、大丈夫なのですか……？」

講師も戸惑っている。

「ゴホン……だ、大丈夫です。では気を取り直して本日のモデルの登場でーす！」

富山氏がうやうやしく、かつ大袈裟に紹介する。

「お待たせいたしました！ではモデルを紹介いたします。某学習塾のCMでお馴染みのRikaさんですっ！」