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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第88章 父と娘、不在の打上げ
地元の駅に着き富山氏と真田氏と別れて友也と家路を目指す。22時をまわっていた。

「梨果さんから連絡ないの?」

腕時計を眺めていた私に友也が声をかける。

「ああ、ちょっと遅いね。」


ガラガラガラ

自宅に着くと玄関の鍵が開いており室内の灯りが点いていた。

(ほっ……梨果先に帰っていたか。)

「ただいまー」

「あれ?母さん。」

玄関の靴を見て友也がそう言った。
居間へ行くと妻がビールを飲みながらテレビニュースを見ていた。

「やあ、帰ってたんだね。」

「ええ、明日休みが取れたから。」

「なんだか久し振りだね。」

「事件の時だけ引っ張り出されちゃかなわないからね。たまには平時も登場させておくれ。」

「ははは、誰に言っているんだい?」

「いや、独り言よ。おや?梨果くんは?」

やはり梨果は帰っていないようだった。

「父親と食事に行ったのだけど、それから連絡がないんだ。」

「もうこんな時間なのに?あの父親大丈夫なのかい?」

「……」

プルルルルルル…♪

その時ちょうど携帯電話に着信が入った。表示を見ると梨果だった。

「もしもし梨果!?」

『もしもし……おじさん、連絡遅くなってごめんなさい。』

「今はどこにいるんだい?」

『実家……』

実家とは言わずもがな父親である講師の自宅だろう。

「実家で何を?」

『ヌードモデル……』

「……?!」

『絶賛開催中でいま全裸で電話してる私です、ははは……』

会話に不穏な空気が流れてきたので妻と友也のいる居間を出て話す。

「先生は今そこにいるの?」

『今はトイレかな?席外してていない。』

「……大丈夫なのかい?」

『大丈夫だよ。多分……』

「多分って……今すぐ迎えに行く。」

『ううん平気だってば。……ただ。』

「ただ?」

『もしもの事があったら……手でしてあげてもいい?』

「え……」
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