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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第103章 古川文学賞授賞式

一週間後……
古川英二文学賞授賞式の日になった。
庭で野良仕事をしていると門前にタクシーが停まった。
「先生、おはようさんどす。」
タクシーから2人の和服の女性が降りてきた。明らかに郊外の住宅街で浮いていた。
「あ、松乃さんいらっしゃい。どうぞ上がってください。そちら様は?」
「髪結いはんどす。京から一緒に来ていただきましたの。」
「これはこれはお初にお目にかかります。」
「彼女は鈴善さんの姪っ子さんなんどす。」
「ほう、そうなのですね。これは遠路はるばるありがとうございます。」
「この度はおめでとうございます。もちろん作品読ませていただきました。」
「ありがとうございます。お恥ずかしい限りです。」
「先生、授賞式当日にお庭で何をされまして?」
「あははは……」
ガラガラガラ
2人を屋内に案内する。
「趣のあるお宅ですね。」
「お恥ずかしい。旧いだけでして。」
「おはようございます。松乃さん、今日は宜しくお願いいたします。」
居間にいた梨果が膝を着いて松乃らに挨拶をする。
「梨果さん、相変わらず可愛らしおすなあ。ご挨拶も教えた通りにされてはりますね。感心やわ。」
「えへへ。」
「なるほど、この子が……」
髪結いさんがしみじみと梨果を見る。
「うふふ。驚いたでしょ?では早速着付けまひょか。」
「はい!」
「奥の仏間をお使いください。着物を用意してあります。」
女性3人は仏間へ着付けに入ってしまった。
「父さん父さん。あの女性、ただ者じゃないでしょ?」
「あれ?友也いたの?」
松乃の存在感が強すぎて友也の影がすっかりなくなっていた。おかげで紹介するのを失念してしまった。
「ヒドい!」
「友也もぼちぼち用意するんだよ。」
「俺の用意なんて5分もあれば終わるよ……」
「まぁそうだね。じゃあ私も準備するかな。」
私も自前の紋付きを用意した。昨日のうちに久しぶりに箪笥から出して陰干しをしていた。
古川英二文学賞授賞式の日になった。
庭で野良仕事をしていると門前にタクシーが停まった。
「先生、おはようさんどす。」
タクシーから2人の和服の女性が降りてきた。明らかに郊外の住宅街で浮いていた。
「あ、松乃さんいらっしゃい。どうぞ上がってください。そちら様は?」
「髪結いはんどす。京から一緒に来ていただきましたの。」
「これはこれはお初にお目にかかります。」
「彼女は鈴善さんの姪っ子さんなんどす。」
「ほう、そうなのですね。これは遠路はるばるありがとうございます。」
「この度はおめでとうございます。もちろん作品読ませていただきました。」
「ありがとうございます。お恥ずかしい限りです。」
「先生、授賞式当日にお庭で何をされまして?」
「あははは……」
ガラガラガラ
2人を屋内に案内する。
「趣のあるお宅ですね。」
「お恥ずかしい。旧いだけでして。」
「おはようございます。松乃さん、今日は宜しくお願いいたします。」
居間にいた梨果が膝を着いて松乃らに挨拶をする。
「梨果さん、相変わらず可愛らしおすなあ。ご挨拶も教えた通りにされてはりますね。感心やわ。」
「えへへ。」
「なるほど、この子が……」
髪結いさんがしみじみと梨果を見る。
「うふふ。驚いたでしょ?では早速着付けまひょか。」
「はい!」
「奥の仏間をお使いください。着物を用意してあります。」
女性3人は仏間へ着付けに入ってしまった。
「父さん父さん。あの女性、ただ者じゃないでしょ?」
「あれ?友也いたの?」
松乃の存在感が強すぎて友也の影がすっかりなくなっていた。おかげで紹介するのを失念してしまった。
「ヒドい!」
「友也もぼちぼち用意するんだよ。」
「俺の用意なんて5分もあれば終わるよ……」
「まぁそうだね。じゃあ私も準備するかな。」
私も自前の紋付きを用意した。昨日のうちに久しぶりに箪笥から出して陰干しをしていた。

