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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第105章 祝福
友也が3人娘に雑炊を作った。

「寝る前の胃に優しーし暖まるー」

3人娘はホクホクと雑炊を食べていた。

「ところで奏音と美月さんはなんで晩餐会に?」

「私は演奏を依頼されて。」

「へぇーさすが美月さん。奏音は?」

「お爺様の付き添い。うちは昔から出版関係の家業をしてるの。」

「そういえば会社やってるって言ってたね。製本工場かなんか?」

「まあそんな感じー」

「いやいや友也、角山グループだよ。」

奏音本人はぼやかそうとしているので私が説明する。後々友也が粗相でもしたら大変だからだ。

「え?」

「奏音さんは角山グループ創業家のお嬢様だ。」

「角山奏音……ってあの角山?!」

「そういうことらしい……」

「ええーーー!!!」

「会長さん普通のいいおじいさんだったよ。」

雑炊をスプーンですくいながら話す梨果。

「梨果は普通に接しすぎだよ。失礼がないか肝を冷やしたよ。」

「ううん、大丈夫です。優しいただのお爺様ですよ。周りが勝手に腫れ物に触れるように扱ってるだけなんです。」

(確かに奏音さんも超お嬢様なのにとても接しやすい。これも血筋なのかもね。)


時計を見ると23時を回っていた。

「さて、申し訳ないけど私は疲れたから先に風呂に入って寝させてもらうよ。」

「……ちょっと待って父さん。」

「ん?どうした友也。」

「おじさん。」

「梨果?……え?なに?美月さんに奏音さんまで?」

珍しく真面目な顔の4人の子供たち。

「改めて古川英二文学賞おめでとう。」

「「「おめでとうございます。」」」

「……」

涙が溢れた。

「うん……どうもありがとう……」


自室で紋付き袴から着替え、入浴を済ませて床に就いた。

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