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新たに選ばれし者たちへのレクイエム
第1章 総司と一 ※
半刻(一時間)くらいウトウトしたかもしれない。
築地塀の枝折り戸が開く音がした。襖が開いて、雨混じりの風が入り込んだ。
雷は去った。雲間に月の光が滲んだ。
私が目を開けると、斎藤一と沖田総司が枕元にいた。
「具合はどうだ?菫」
一が私の額に触れた。ヒンヤリとして心地よい。
濃紺の着流し。漆黒の髪に紫色の瞳。纏う空気は清冽そのものであった。
「熱が上がっているな」
「お戻り……なさいませ」
起き上がる私の肩を、一と同じ二十歳の総司が押さえた。茶色っぽい髪の毛。琥珀色の瞳に細い眉。いつも笑みを浮かべている。
「起きなくていいよ。会津藩の佐々木どのに熱冷ましをもらったから、後で飲もうね」
小太刀では達人の佐々木唯三郎。輿を都合したり、不逞の輩が私に近づかないようにしたり、いろいろ配慮してくれた人だ。
「佐々木様も新徳寺に呼ばれてたんですか?」
「呼ばれておらん」
一は声を落とした。
「幕府の役人は誰一人来ていなかった」
「なぜ……」
「こられたら困るから。清河八郎は幕府を裏切ったんだ」
総司は声を荒らげた。裏の竹藪がザワザワと音を立てた。
「浪士組は帝の私兵のために集められたのさ。建白書も見せられてね」
私は呆然としてた。
将軍には御徒衆や直参旗本がいる。警護のために浪人を集める必要はないのだ。あえて集めたのは、幕府に背く企みがあったのか?
(あの狐、よくも……!)
実父の井伊直弼が生きていれば、謀反などさせなかったのに。
「浪士組の人達はどのように?口車にのるとは思えませんが」
「浪士組は清河八郎の言いなりだった。演説に酔いしれ、催眠術にかかったようだった」
一が重々しく言うと、総司もイライラと続けた。
「僕たちと同じ特殊能力者じゃないかな?だとしたら、見過ごせないよね」
「お父上様も言いなりでしたか?」
私の養父は試衛館の道場主・近藤勇。父・直弼が桜田門外の変で襲撃され、私は天然理心流の試衛館に引き取られたのである。
「近藤先生は話が違うと抗議しておられた」
と一。思い出したように付け加えた。
「水戸の芹沢鴨も食ってかかったが、佐々木どのに制止されてな。今は近藤先生や兄上と会津藩で話し合いだ」
会津藩は京都守護職である。藩主の松平容保様は顔見知りで、
「俺はそなたに惚れているぞ」
とよく戯れ言を言っていた。
「申し訳ありません。疲れたので、お薬を飲ませてください」
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