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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル

硬い駆け足が迫ってきたかと思うと、首を後ろへ引かれた。
振り返った先では、あのギャルが肩で息をしながら、こちらを睨みつけていた。
外国人……?
横顔でも窺い知れていたが、正面から見ると、睫毛が強調され、緑がかった眸色の大きな目が特徴的だった。メイクやカラーコンタクトによる過剰な作意はなく、悪くない顔立ちどころか、かなりいい。
「なに変なもん擦り付けてきてくれてんだよっ! 死ねっ、変態!!」
実に流暢な罵声だから、言葉は問題なさそうで安堵する──わけがなかった。
やはり、勃起が脚に当たってしまったことを責めてきたのだ。
「いや、誤解で……」
言ったがすぐ、失言だと後悔した。
勃起が脚に当たってしまったのは故意ではない。
だが、事実が常に最強の武器だとは限らない。
「トボけんなよっ、何回もツンツンと……、降りる前も思っきりお尻触りやがって!! 」
尻? 触る? 何回も……?
しかし初期消火に失敗したとはいえ、炎は身に憶えのない方向に広がろうとしていた。周囲も憚らずに大声で喚かれると、ホームを往く者も何事かと一瞥してくる。保彦は耳が熱くなるのを感じながら、
「いや、そんなことしてないですって」
「ウソつくなよ変態ジジイッ! ったく、ありえんほどキモいんだけど」
「──警察、呼んだ方がいいんじゃないのぉ?」
通り過ぎがけに、一人のサラリーマンが意地の悪い笑みを向けて去って行った。その方向を見ると、若い会社員風の女がウインドブレーカーを着た警備員に声を掛け、彼が小走りにこちらにやってくる。
「どうされました?」
「コイツに痴漢されました」
ギャルが、ストーンの光るネイルを真っ直ぐ土橋に向けて即答する。
「あの、俺、してないです」
「……まあとにかくですね、電車が入ってきますんで、ここだと危険ですから、駅務室に行きましょうか」
言い方は丁寧だったが、警備員はいつでも土橋の腕をつかめるように手を腰のあたりに差し上げて階段の方角を示した。同様の服装をした若めの警備員もやってきて、背後を固められる。
「お客様も、ご一緒してもらってよろしいですか?」
警備員がもう一人の当事者にも言うと、ギャルは、えっ、となって、
振り返った先では、あのギャルが肩で息をしながら、こちらを睨みつけていた。
外国人……?
横顔でも窺い知れていたが、正面から見ると、睫毛が強調され、緑がかった眸色の大きな目が特徴的だった。メイクやカラーコンタクトによる過剰な作意はなく、悪くない顔立ちどころか、かなりいい。
「なに変なもん擦り付けてきてくれてんだよっ! 死ねっ、変態!!」
実に流暢な罵声だから、言葉は問題なさそうで安堵する──わけがなかった。
やはり、勃起が脚に当たってしまったことを責めてきたのだ。
「いや、誤解で……」
言ったがすぐ、失言だと後悔した。
勃起が脚に当たってしまったのは故意ではない。
だが、事実が常に最強の武器だとは限らない。
「トボけんなよっ、何回もツンツンと……、降りる前も思っきりお尻触りやがって!! 」
尻? 触る? 何回も……?
しかし初期消火に失敗したとはいえ、炎は身に憶えのない方向に広がろうとしていた。周囲も憚らずに大声で喚かれると、ホームを往く者も何事かと一瞥してくる。保彦は耳が熱くなるのを感じながら、
「いや、そんなことしてないですって」
「ウソつくなよ変態ジジイッ! ったく、ありえんほどキモいんだけど」
「──警察、呼んだ方がいいんじゃないのぉ?」
通り過ぎがけに、一人のサラリーマンが意地の悪い笑みを向けて去って行った。その方向を見ると、若い会社員風の女がウインドブレーカーを着た警備員に声を掛け、彼が小走りにこちらにやってくる。
「どうされました?」
「コイツに痴漢されました」
ギャルが、ストーンの光るネイルを真っ直ぐ土橋に向けて即答する。
「あの、俺、してないです」
「……まあとにかくですね、電車が入ってきますんで、ここだと危険ですから、駅務室に行きましょうか」
言い方は丁寧だったが、警備員はいつでも土橋の腕をつかめるように手を腰のあたりに差し上げて階段の方角を示した。同様の服装をした若めの警備員もやってきて、背後を固められる。
「お客様も、ご一緒してもらってよろしいですか?」
警備員がもう一人の当事者にも言うと、ギャルは、えっ、となって、

