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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル
 けれども真璃沙は、直ぐに思い直した。
 卑劣な痴漢男のせいで、自分の着たいものも着れないなんてことがあっていいものか。

 ドアの窓ガラスを見るが、背後に立つシルエットが多すぎて、どいつがしでかしているのかはわからなかった。裾を軽く当てて様子を窺っていたのが、「これはイケる」と践んだか、内側に侵入してきて太ももの裏を直接なぞり始める。モノではなく、紛れもない人の指の感触。足を踏んで身を捩るが、いったんは離れるものの、やがてまた戻ってきて、気色悪く太ももに線を引いてくる。

 大声でキレてやりたい。

 しかし真璃沙は舌打ちだけをして、罵声を飲み込んだ。

 一次審査を通過したのちに、事務所から、「くれぐれも炎上騒ぎを起こすな」と念を押されていた。SNSでの不用意な投稿はもとより、公衆の目に触れる場所での行動にも、細心の注意を払うように、と。動画を撮られ、切り取られ、煽りコメントとともに拡散されたら、こちらに正義があったとしても、世間に理解してもらうのは難しい。二次審査に通ることは絶望的になるうえ、今後の活動にも影響する。名前とヴィジュアルを売る職業にとっては、致命傷となってしまうのだ。

 そう考えると、一次審査の朝の出来事が、ネットに広まっていないのは奇跡と言ってよかった。
 ここでまた、危ない橋を渡るわけにはいかなかった。

(くっそ……はよ渋谷に着けって)
 しかし頭上のデジタル表示では、渋谷はまだまだ先だった。(……うっ!? ヤバ、コイツなんなん……)

 いきなり、一本だった指先が、内ももの肌にへばり付く手のひらへと変わった。触られていないほうも含め、両の脚が鳥肌に包まれる。

 しかも、ジリジリと脚の付け根のほうへと遡ろうとしてきて、

(ちょおっ……ムリムリムリ……ムリだってっ!)

 このままでは、奥地に指先が届いてしまう。
 誰か──

「やめなさい」
 ミニを捲り上げんほど奥まで入り込んでいた手が、スッと出て行った。「警察です」

 一つのシルエットが、斜め後ろから人の合間を縫い、真璃沙の背後を守るように体を入れてきた。香りでわかる。女性だ。

 電車が次の停車駅へと入り始めると、

「ね、降りられる?」
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