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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル

周囲を刺激しないような優しい、耳心地よい声で囁き、下を向いて頷く真璃沙の肩を抱いて一緒に降りてくれた。自分よりも背が高いので安心感がある。ホームに降り、人の往来を避けられる大きな柱の近くへと導かれる。
「怖かったわね。もう大丈夫。……もう少し、人が減るのを待ちましょう」
「あ、あの……」
「ん?」
「騒ぎは、やめて、ほしくて」
「もちろんよ。安心して」
そう答えた肩の手が背中に降ろされた。
優しく擦られると、真璃沙の動悸も次第と落ち着いてきた。
「ゆっくり深呼吸しましょう?」
「……うん。もう……平気」
顔を上げると、厳しい顔で周囲を見回していた女性が、真璃沙へは柔和な笑みで見下ろしてきた。
しかしすぐに、真剣なものへと表情を変え、
「あのね……、ごめんなさいね、事実確認、っていうのをしなくちゃいけないんだけど……、……あなた今、痴漢、されてたわよね?」
できるだけ周囲に聞こえないよう、顔を近づけて尋ねてくる。
自分より背が高く、だいぶん年上の大人の女性で、澄んだ声は小声でも聞き取りやすい。かつ近くで見ると、女優のように美しい人だった。
「されてた。脚……、結構上のほうまで、やられた」
「当たり前だけど、不同意、よね?」
「ふどうい?」
「嫌、だった?」
「うん」
「ありがとう。これ以上は、ここでは──」
「先輩」
そこへ、別の女性の声が聞こえてきた。長身の女の人が向いたほうを見ると、もう一人、こちらはもっと若い、けれども負けず劣らず美しい女の人が、一人の男の脇を取って歩いてきた。
「コイツ、やったの認めました」
「あっ……!」
連れられてきた男は、オーディションに行った朝に騒ぎを起こした男だった。認めた、ということは、さっき触っていたのは、この男だったのだ。あの時はブサ野のせいで、何故かこちらがバツの悪い思いをさせられたが、電車の中でアレを大きくするようなキモオヤジ、すべてはブサ野の勘違い、やっぱり、あの時もやっていたのだ。
「まさか知ってるの?」
「前もコイツにやられた」
「常習犯ね。それとも、あなたを狙ってたのかも。どちらにしても絶対に許さないわ」
「怖かったわね。もう大丈夫。……もう少し、人が減るのを待ちましょう」
「あ、あの……」
「ん?」
「騒ぎは、やめて、ほしくて」
「もちろんよ。安心して」
そう答えた肩の手が背中に降ろされた。
優しく擦られると、真璃沙の動悸も次第と落ち着いてきた。
「ゆっくり深呼吸しましょう?」
「……うん。もう……平気」
顔を上げると、厳しい顔で周囲を見回していた女性が、真璃沙へは柔和な笑みで見下ろしてきた。
しかしすぐに、真剣なものへと表情を変え、
「あのね……、ごめんなさいね、事実確認、っていうのをしなくちゃいけないんだけど……、……あなた今、痴漢、されてたわよね?」
できるだけ周囲に聞こえないよう、顔を近づけて尋ねてくる。
自分より背が高く、だいぶん年上の大人の女性で、澄んだ声は小声でも聞き取りやすい。かつ近くで見ると、女優のように美しい人だった。
「されてた。脚……、結構上のほうまで、やられた」
「当たり前だけど、不同意、よね?」
「ふどうい?」
「嫌、だった?」
「うん」
「ありがとう。これ以上は、ここでは──」
「先輩」
そこへ、別の女性の声が聞こえてきた。長身の女の人が向いたほうを見ると、もう一人、こちらはもっと若い、けれども負けず劣らず美しい女の人が、一人の男の脇を取って歩いてきた。
「コイツ、やったの認めました」
「あっ……!」
連れられてきた男は、オーディションに行った朝に騒ぎを起こした男だった。認めた、ということは、さっき触っていたのは、この男だったのだ。あの時はブサ野のせいで、何故かこちらがバツの悪い思いをさせられたが、電車の中でアレを大きくするようなキモオヤジ、すべてはブサ野の勘違い、やっぱり、あの時もやっていたのだ。
「まさか知ってるの?」
「前もコイツにやられた」
「常習犯ね。それとも、あなたを狙ってたのかも。どちらにしても絶対に許さないわ」

