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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル
 何だろうこの人、ツンデレなのかな、と思いつつ、受け取るために両手を差し伸ばしたその時、

「涼子!!」

 突然、男が大声を車内に響かせたから、心臓が強く鳴って身を弾ねさせた。

 そして次の瞬間、広瀬さんへ向けて伸ばしていた腕に、違和感が生じた。

(え、何だコレ──)

 さっきの金属音が手元から聞こえた。
 重い。手首に嵌められたメガネ型の腕輪の中央の留め金から、弛んだチェーンがぶら下がっている。

「ごめん、なさいっ!」
「わっ……!」

 また突然に、隣から古宮さんが腰に抱きついてきて、シートから体が浮くと、ぐるりと回って体を入れ替えさせられた。理解が追いつかず油断していた真璃沙は、ヒップがシートに弾ね終わったときには、辞退したはずの三人掛けの真ん中に座らされていた。

「古宮さ──」

 再び、シートに背を押し付けられる。
 しかし今度は、坂道で車は傾いておらず、自分だけが、後ろに倒れていた。

「いっ、ちょっ……、えっ……、えっ……!?」

 ギリギリと金属が噛み合う音が背後から聞こえ、同期して手錠が顔のほうへと迫り上がってくる。鼻先と髪をかすめ、頭を超えても力は止まらず、筋肉の収縮が遅れた腕は、まっすぐとなって二度と動かすことはできなくなった。

 すぐ隣にいる痴漢男が鎖を握っており、余裕たっぷりの気色悪い笑みで真璃沙を見下ろしていた。




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