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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル
 むろん、予想されたことだった。
 うら若き女子大生が、突然冴えない中年男に話しかけたら、むしろこうならなければおかしい。

 しかし心馳せも清らかな愛梨である。誠心誠意、話をすれば、相手を無下にすることなく、いずれは恋人の窮地を理解してくれることだろう。

「私は北原真璃沙さんのことをよく知っている者です。彼女に確認してもらってもかまいません」
「……」
「彼女とお待ち合わせのことかと思いますが、今日、彼女はここには来ることができなくなりました」

 えらく他人行儀な話しかたであるが、のっけから「武藤保彦口調」だと、警戒心を刺激してしまう。最初は、こういった口調のほうがいい。

 より警戒心を和らげるのであれば、真璃沙も同席の上で会うことも考えた。しかしそのためには、武藤保彦という存在が土橋哲郎の体の中に宿ってしまっていることを、真璃沙に理解させなければならなかった。となると、自分を性悦に狂わせて隷従させたのは、土橋哲郎ではなく武藤保彦だということを、真璃沙が知ることになる。そんな真璃沙を、愛梨に会わせるわけにはいかない。

 また愛梨を呼び出す際に、恋人も一緒に連れてきてほしいと、真璃沙へ指示することもできた。つまり、自分の体を乗っ取り、居座っている土橋も一緒に連れて来させることで、愛梨の目の前で化けの皮を剥がし、より、この不幸な事態を愛梨にわかってもらうことができる。けれども真璃沙が、愛梨の恋人をわざわざ指定して呼び出す尤もらしい理由が思い浮かばず、「その理由は今は言えないけど会ったときに」という匂わせにすることもできたが、当の真璃沙はいないのだから、やはり愛梨は身構えるだろうし、ともすれば土橋に有利な状況を作りかねない。

 何も言わなくとも、愛梨が自主的に恋人を連れてきて三人で会おうとする、という可能性もあったが、愛梨としても、今日、恋人を真璃沙に会わせる理由はなかったようだ。愛梨の説得と土橋の糾弾を同時に行うのは難易度が遥かに上がるので、まずは愛梨に注力できるのは、保彦としても吝かではなかった。

「ですが、こうして高階さんに……」
 愛梨、と呼び捨てにしたいが堪え、「お声がけさせていただいたのは、あなたにとって、とても重大なお話をしなければならないからです」
「……あの、ちょっと、よく……、おっしゃられていることがわかりません」
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