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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル


「ほらっ、踵に頼らない!」

 スタジオにトレーナーの叱咤が飛ぶ。

 手拍子を一定の間隔で叩いてくれているが、少しゆっくりめにしてくれていると思う。もしこれが本当のショーならば、BGMのリズムに頭の中で正確に合わせなければならない。もっとアップテンポの曲だったら、今の自分の実力では、とてもついていけないだろう。

「顎が上がってきてるよ! へばるな!」

 今日は初めて、10cmのヒールを履いてでのレッスンだった。

 裸足や3cmヒールで何なくできていたことが、いきおい難しくなった。普段、これを超える高さのヒールだって履いたことはあるのに、大きなストライドで、接地している脚はまっすぐに、蹴り出す脚は多少大袈裟に曲げ、視線は常に正面、背すじを伸ばし、頭の位置は変えずに、フロアに長細いロの字に引かれた補助線を綱渡りをするように行く独特の歩様は、そこらじゅうの筋肉に負担をかけてくる。

「はい、キツいのはこっちもわかってる! さあ、もう一周行こう! 誰でも簡単にはできないことをやれるから『プロ』なんだ!」

 華やかで優雅なイメージのモデル業界のトレーナーが、こんなに熱血だとは思わなかった。高校時代にこんな教師がいたら、小声で「うざ」と呟いてしまっていたかもしれない。

 しかし真璃沙は、まっすぐに前を見据え、次の一周へと踏み出した。

 何人ものレッスンを務めてきたベテラントレーナーの精力的な掛け声は、いま真璃沙が一番求めている、「集中力」を高めてくれていた。

 彼女に言わせるとまだまだでも、だんだんと、モデルウォークが身についてきたと思う。正直、二次審査に間に合うのかという不安はあるが、仮に間に合わなくとも、その先も必携の技能なのだから、レッスンが全く無駄になるわけではない。

 間に合わないかもしれないし、結果も出ないかもしれない。
 が、せめて悔いの無いようには頑張ろう。

 そう心に決めた真璃沙は、家でも筋トレとストレッチを欠かすことはなくなった。食事にも気を遣い、口に入れたものは全てレコーディングしている。ちょくちょく入れてもらえるスチール撮影の合間も、YouTubeでウォーキングや筋トレ講座、去年の開催や別の主催も含むショーの様子の動画を見たりし、気がつけばここ最近、TikTokにもInstagramにもほとんど投稿をしていなかった。
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