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なりすました姦辱
第3章 報復されたハーフモデル
 リュックにしまっていたペットボトルには、まだミネラルウォーターがたっぷりと残っていたが、真璃沙はヒールを雪駄に履き替えてスタジオを出ると、廊下を小走りに、トイレの前は通り過ぎて更衣室へと向かった。

 メッセージの通りに、土橋は本当にそこにいた。

 あの日から若干小奇麗にはなっていたが、男子禁制の女子更衣室の中にいるには、あまりにも醜悪で、不気味だった。

「なんで……いんの? てか、なんでここ知ってんの?」
「バカみたいにイキまくって何でもかんでも喋ったの憶えてないのか? もう俺が知らないことは無いと思え」
「ちょっ、声でかいって……」
「真璃沙と先生以外、誰もいないみたいだぞ。不用心なスタジオだな。不審者入りたい放題じゃないか」

 レッスンの人数が多い時にはパートの人がいることもあるが、今日は自分一人であるので、経営者でもあるトレーナーはコスト削減のために人を省いているのだろう。エントランスを入ったところには、『御用の方はインターホンをお押しください』と掲げられている。つまり押さなければ、そのまま入って来れてしまう、ということだ。確かに不用心ではあるが、一般人には公開されていない専門スタジオである。そんなことをしでかすのは、トレーナーには言えない目的を持って会いにきた、非常識で横暴で、不審者丸出しの中年男くらいだ。

 更衣室の時計を見ると、愛梨と会って、何か良からぬことが起こったにしては、早すぎる時間だった。従姉はどうなったのか訊こうとして、しかしどう訊いたらいいのかわからなくて逡巡していると、

「奴隷のエロギャルのオ××コを使いにきた。ヤラせろ」

 土橋がはっきりと「目的」を告げ、スーツのズボンの前を自分で撫でながら近づいてくる。

「い、今はムリだってっ……、場所、考えろよ」
「奴隷には時間も場所を選ぶ権利は無い。それにしても、バカっぽいギャルコーデじゃなく、そういう肌の出し方もエロくて真璃沙らしいな」

 後ずさりする真璃沙は、紫のビキニタンクトップに黒のショートパンツ姿、髪もポニーテールでうなじを出し、外を歩く姿以上に肌を晒していた。トレーナーが筋肉の動きを見るための露出なので、ファッション的な意味はないのだが、土橋の視姦に晒されると、恐ろしい記憶が甦り始める。
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