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なりすました姦辱
第4章 隔絶された恋人
「それは、実は……。前の──」

 より土橋に報い、誠意を示すためには、牝洞が失敬な態度を取ってしまった悍ましい過去についても、きちんと話してしまうべきだと思った。

「ま、イヤラしいオ××コなら、俺は別にいいんだが」
「……っ、は、はい。おっしゃる通りです」

 馬鹿な、何を自分は告白しようとしていたのだろう。昔のことを取沙汰したところで、土橋に何を望むというのだろう。優しく、慮ってもらいたい? 土橋はそんなことをしたくはなかろうし、自分だって、望んではいない。

「イヤラしいオ××コなのか?」
「……は、はい、と、とても、イヤラしい、です……」
「薬を飲むのをやめた、ということは、そのイヤラしいオ××コに注いでいいんだな?」
「ううっ……。土橋さんがお望みなら、注いで……、いただいて、差支えありません」
「ふん」

 土橋が身を起こし、涼子に側身が擦れるほど近くに座り直すと、肩を抱いて引き寄せてきた。

「ずっと言ってるだろう。会社ではキリッとしてる古宮涼子ディレクター様が、そんなに口籠ってどうする。どうしたいのかきちんと、ハッキリと言ってみろ」

 何をしでかすかわからない危険因子だった汐里は、今日でいなくなった。すぐそこにいる軽薄な小娘は、最悪、彼女が自分の立場を弁え、かつ土橋が所望するならばの、本当に最悪ところ、しばらく傍に置いてやってもいいが、今は若さゆえの思慮の浅さで突っ走っていても、やがて人気商売が軌道に乗ってくれば、さすがに大胆な行動は控えるようになるだろう。それに何より、自分は彼女の父親のことをよく知っている。これは何にも代えがたい有利な武器、彼女と父親双方にとっては致命的な爆弾で、起爆装置は自分の手の中にある。いざという時は、濃密に結ばれた二人の前から、真璃沙を排除するのは容易いことだ。

 ……そう、今日、今、ここで、濃密に結ばれてしまえばいいのだ。

「失礼、しました……。あの、……そ、注いでください。わ、わたくしのイヤラしいオ××コに……オチ、オチ×ポを挿れて……お腹の中に、ザッ、ザーメンを、たっぷりと……、ああ……」

 直截な語用で願い出ただけで、最奥の軟蓋が下がってきたように思えた。個人差はあるというが、もうそこでは、土橋との絆を確固たるものにする宝玉の半身が、運命の邂逅を待ち望んでいるように思えた。
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