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なりすました姦辱
第1章 脅迫されたOL
 いまは、という一言に先々の期待まで煽られ、保彦が、やめとけ、と溜息をつく前で、マウスポインタは慌てすぎて画面を縦横無尽に彷徨った末に、『購入』のボタンを押した。

「ありがとう……大好きだよ、テツさん」

 黒いブラが落ちる。
 決して精細といえない画面に、洋梨型の美しいバストが映し出された。

 巨乳、爆乳というわけではない、まさしく美乳だった。1万ポイントが何円かは分からないから、投資に見合った代物なのかは判断がつかなかったが、もったいぶっただけあって、人を見惚れさせる胸乳が、誇らしげに画面に丸映しになっていた。

「あん、すっごい見てるでしょ。恥ずかしいよ……」
「ああっ、リ、リリ……、リリちゃんっ……、とってもキ、キレイなオッパイだよっ、とても……」
「ほんと? うれしい……」
「だ、出すね、リリちゃんのオッパイ見ながら……、出すね。お、お願い、お願いだよぉ、……『おっぱいで出して』って言ってもらえないかなっ……、お、お願い……」

 画面の口端が笑む。
 その歪みには嘲笑が含まれていたが、射精寸前の土橋が気づくはずもなく、

「……テツさん。リリのおっぱいで、いっぱい……、エッチな精液出して?」

 サービスでフレーズが追加されて囁かれると、絶叫が聞こえて画角の下側からノートパソコンに向かって何かが飛び散ってきた。

(うわスゲッ!!)

 思わず保彦がパッと手を離してしまうほど、動画の中のノートパソコンが濃厚な白濁をかぶっていく。量も勢いも、自分のものとは比べ物にならない。スピーカーから音割れして聞こえる汚らしい絶叫を効果音として、壮絶で、やたら長い射精が続く。

「ああっ……、リリちゃん……、リリ、ちゃん……」

 土橋の声が恍惚とした嘆息へと収束していった時、ガタン、と音がした。

 こちら側ではない。向こう側だ。

 ビルドインされたものではない、外付けのウェブカメラだったらしく、おそらくはモニタの上部に取り付けていたものが外れたようだった。天地目まぐるしく転がり落ちたカメラは、上向きで止まり──あっ、と驚いている女の顔を映し出した。精液垂れ落ちる液晶画面だったが、女の顔は、ハッキリと捉えられていた。

(……なるほどな)

 この事故で、顔がバレしまって、

「ひ、広瀬さんっ……、広瀬、し、汐里さんっ!!」
「えっ……? ……ちょっ!!」
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