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なりすました姦辱
第4章 隔絶された恋人
 参ったな。
 
 出張先の繁華街のポン引きならば、酩酊状態のところへ助平心を刺激されて誘いに乗ってしまうこともあるのかもしれないが、素面で、ゴリラによるこの勧誘内容は怪しすぎる。せっかく、誰にも自慢できる汐里を得たのに、厄介事に巻き込まれるのは御免だった。

 そうだ──思いついた須賀は、種付けプレスとやらに熱中している郁夫の背中へ呼びかけた。

「ね、君……君っ! 郁夫くん、だっけ」
「……ん、何?」

 背後を振り向かせると、ここでようやく、交わらされている女の顔を見ることができた。

(古宮ディレクター!?)

 控室からリビングを覗き見た時、土橋と汐里以外にも人間がいる、ということまでは認識できていたが、恋人が食穢をしていたものだから頭が真っ白となり、その正体までは確認できていなかった。郁夫の苗字と、「涼子さん」の連呼で、まさか、とは思っていたが、組み敷かれているのは、社内屈指の実力を持ち、厳しさと凛とした美しさで知らぬものはいない、上級管理職に間違いなかった。

「ねぇ、何?」

 声をかけたくせに絶句している須賀を、郁夫が現実に引き戻す。

「えっ、……ああ、郁夫くんに、ちょっとお願い──、いや、チャンスがあるらしんだ」
「チャンス?」
「草野さんがね、パートナーの子と、セックスさせてあげてもいいってさ。すっごく、カワイイ子だよ。モデルさんだそうだ。しかも……、ナマで中出しもアリだってさ」

 会社では決して見ることができない涼子の顔つきと、スリットから丸出しにされた豊乳を盗み見ずにはいられず、草野の話がニュアンスが変わって伝わってしまったが、

「でも、ぼく今、りょりょ、涼子さん、と、セックス、してるし。く、草野さんの、あっ、相手、は、あの、派手な髪、の子、でしょ。りょりょ、涼子さんと、比べたら、ゴゴ、ゴミだよ」
「その、えっと……、そう、でも男ってもんはさ、色んな女性とセックスして、経験値を上げることで初めて、本当に愛する女性を喜ばせることができるんだ。そう思わないか?」
「……そう、なの?」
「ああそうさ。ディレクター……いや、涼子さんも、郁夫くんが経験豊富なほうが、きっと喜ぶよ」
「そ、そうなのか……。……う、うん、そ、それなら、ちょっと、しし、してみようかな」
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