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なりすました姦辱
第1章 脅迫されたOL


 もはや、何がなんだかわからなかった。

 自分のことを猥濫な女だとは思っていないが、不慣れで不粋な小娘と言われないくらいには成熟しているつもりだ。男の局部を見たのもひとつやふたつというわけではなく、彼らが肉交に及んでくる姿に接し、いまさら怯むようなことはない。

 ストッキングを破かれた上に下着の上から顔面を押し付けられ、危険なアルバイトをしてまで磨いた肉体の最も出し惜しみすべき場所に唾液を擦りつけられ、ショーツが伸び切るほど引かれて秘所を卑しい好奇の目に曝され……、まだここまでは、憤辱に身を灼かれるのは当然だったが、いっぽうで、この中年男を蔑み、嘲笑い、見下す気持ちも心のどこかに併存していた。

 まともなら、キモ中年男には到底手の届かない、若い女。しかもこの顔と体である。無理もない──乾いた憐れみが、汐里を発狂から救ってくれていた。

 しかし、その男が股間に生やしていたモノは、たとえば「ひどい男性器を想像してみてください」と言われても、決して発想できないくらい凶々しいものだった。そして、その悪虐な牡の象徴が狙っているのは、他ならぬ、自分の牝器なのだ。

 怯えるな、というほうが無茶な話だった。

 やめさせたく、何を訴えたか憶えていない。
 大したことは言えていなかったのは間違いなない。

 そこへ、顎から首筋へ、ひたひたと何かが散った。

 異形の尖端が毒汁を撒いているのが、睫毛の向こうに覗き見えた。直後から、鼻先に痛烈なニオイが漂ってくる。首裏に纏っていたあの白いモノは、幻影でもなんでもなく、確かに物質としてそこに存在しているのだと知らしめられ、思わず飛沫に穢された上半身へと意識を向けてしまった瞬間──下半身で、媚肉の枠が大きく広がった。

 姦された、と直覚できた。

 陳腐な言い方だが、嘘だと思いたかった。しかし次の刹那、体の中へ溢れ来た熱汁に、せめてもの現実逃避すら踏み躙られた。

 しかも、交わらせてやってきた男たちが畢竟を迎え、背中に腕を回しておおらかに待つ、いつもの肌感覚的な時間を過ぎても、肉の塊は女洞をかいくぐってすぐのところで暴れ回っていた。性感が芽生えようはずもなかった乾いた襞道へ、いつ収まるのやら知れない脈動とともに粘液を吐き出している。逃れたくとも、土橋はずっと太ももを抱えており、横暴な異物を退けることができない。
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