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なりすました姦辱
第2章 制裁されたシングルマザー
 美声だが早口なので、ややこしげなプリンシパルの名前は聞いたがすぐに失念してしまったが、つまりは自分が少し前に提出した最終選考の課題レポートを、表向きはその者が、裏ではこの女が採点をしたということだった。

「そうだったんですか。業績管理されてる中、至らない私たちの面倒まで見てくださってるのに、そんなことまで……ご苦労お察しいたします」
「ありがとう。こんなことに時間割きたくないんだけどね。でも仕方ない。上司は上司だし」
「はい。なるべく早く終わるといいですね」

 汐里がニッコリと上体を傾いでみせて、ではどうぞいってらっしゃいませ、的な仕草で送り出そうとするので、

「今年の学生はいかがですか?」

 と保彦は訊いた。

 なんで休職の身のあなたが気になるの、と言いたげな目を向けられたが、まだ打ち合わせまでには時間があるのか、

「学生の子たちの書くレポートなんて、どれも同レベル、大したことないわ。あれに対応するこっちの時間が無駄かも。特にインターンで来てた子とかは、自分はとても優秀です、っていうのがヒシヒシと伝わってきてね、いたたまれなくって読むのが苦痛だった。たぶん、あとは面接のときのプレゼン能力で決まるんじゃないかしら」

 確かに与えられたテーマは、インターンシップ時にやった業務なんて遊び、大学のレポートよりも桁違いに高度なものだった。保彦は二週間近く睡眠時間を削り、学術論文から海外の新聞まで読み漁り、ゼミの教授のツテで専門の学者も紹介してもらって話を聞き、果ては、海外の独立系のビジネスマンとのマッチングサイトを利用して、現地の実情や有効な情報を訊き出してまでして、何とか仕上げたのだった。

 ……それが無駄? 苦痛?

 先ほど、お前にはわかるまい、と英語で汐里に陰言をしていたが、侮られたのは土橋だった。
 だが、これについては、保彦自身に対する侮辱と言えた。

「では、どうやって選考されたのですか? 皆、同じだとおっしゃられるのなら」
「適当……って言うと語弊があるわね。評価をしたら当然、総評とかを書かなきゃいけないの。だからいかにも総評が書きやすそうな子に得点がつく結果になったかもしれないわ。『この案は工夫すれば見所がある』、とか。今の日本の学生に工夫する力があるとは思えないけど」
「それじゃ、一生懸命書いた奴が……子が、可哀想じゃないですか」
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