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なりすました姦辱
第2章 制裁されたシングルマザー

望外の鬱屈を抱えて帰ることになった保彦は、ドス黒い渇求を抑えるのに苦心し、夜には再び汐里を汚部屋に呼び出した。その次の日も、また次も。毎夜、奴隷として拝跪させ悉く嬲り回しても、渇求は決して消えることなく、むしろ、その濃度を増していく。
──周囲が明るくなった。
「申し訳ありません、こんな夜遅くにお時間を頂いてしまって……、ご家族は大丈夫でしょうか」
汐里の申し訳なさそうな声が聞こえると、
「ええ。遅くなるのはよくあることだし、子供も慣れてるわ。家政婦さんにも残ってもらってるから気を使わないで。それよりも……」
美声が低くなり、「本当なの? 付箋に書いてあったことは。……まあ、掛けましょうか」
「はい」
ピッという電子音が聞こえた。
汐里が電子錠に内鍵をかけたのだった。
土橋と汐里、そして古宮涼子の勤めるビルの28階、時刻は20時を回っていた。執務フロアにはまだ残業をしている者がいるだろうが、外部の人間と会うために使うこの階は、人の気配は全く無かった。
ただし、世界中の人間と仕事をしている企業であるから、リモート会議を行うために、いつ何どき人が来ないとも限らない。だから保彦が選んだのは、革張りのチェアが並ぶ六人掛けの、最も豪奢な応接室であり──身を潜めていたのは、真ん中に鎮座する大きく剛質なテーブルの下だった。この部屋なら、そうそうは使われまい。
二組の脚が保彦の側面から前方へと回ってきて、正面のチェアのキャスターが転がって遠ざかり、天板との境界線から腰が降りてきた。左前方のチェアも引かれる。保彦の正面には涼子、斜向かいに汐里が着座した恰好だ。首尾よく、汐里は指示した通りの場所に上司を誘導してくれた……入口から最も遠い場所に。
「私の勘違いかもしれないんです。ですので履歴が残るメールや社内メッセンジャーは避けさせていただきました。あと、誰がどこにいるとも限らないので、こんな時間に、こんな場所でお願いさせていただいた次第です」
「賢明ね。でもまだ詳しく聞いたわけではないけど、全くの勘違いってことはないんじゃないかしら。女のカン、なんて曖昧なことじゃなく、広瀬さんは優秀だし、それなりの根拠があってのことでしょう?」
「根拠と言いましても、物証はありません。ですが……」
──周囲が明るくなった。
「申し訳ありません、こんな夜遅くにお時間を頂いてしまって……、ご家族は大丈夫でしょうか」
汐里の申し訳なさそうな声が聞こえると、
「ええ。遅くなるのはよくあることだし、子供も慣れてるわ。家政婦さんにも残ってもらってるから気を使わないで。それよりも……」
美声が低くなり、「本当なの? 付箋に書いてあったことは。……まあ、掛けましょうか」
「はい」
ピッという電子音が聞こえた。
汐里が電子錠に内鍵をかけたのだった。
土橋と汐里、そして古宮涼子の勤めるビルの28階、時刻は20時を回っていた。執務フロアにはまだ残業をしている者がいるだろうが、外部の人間と会うために使うこの階は、人の気配は全く無かった。
ただし、世界中の人間と仕事をしている企業であるから、リモート会議を行うために、いつ何どき人が来ないとも限らない。だから保彦が選んだのは、革張りのチェアが並ぶ六人掛けの、最も豪奢な応接室であり──身を潜めていたのは、真ん中に鎮座する大きく剛質なテーブルの下だった。この部屋なら、そうそうは使われまい。
二組の脚が保彦の側面から前方へと回ってきて、正面のチェアのキャスターが転がって遠ざかり、天板との境界線から腰が降りてきた。左前方のチェアも引かれる。保彦の正面には涼子、斜向かいに汐里が着座した恰好だ。首尾よく、汐里は指示した通りの場所に上司を誘導してくれた……入口から最も遠い場所に。
「私の勘違いかもしれないんです。ですので履歴が残るメールや社内メッセンジャーは避けさせていただきました。あと、誰がどこにいるとも限らないので、こんな時間に、こんな場所でお願いさせていただいた次第です」
「賢明ね。でもまだ詳しく聞いたわけではないけど、全くの勘違いってことはないんじゃないかしら。女のカン、なんて曖昧なことじゃなく、広瀬さんは優秀だし、それなりの根拠があってのことでしょう?」
「根拠と言いましても、物証はありません。ですが……」

