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第5章 男たちの身の上

「MURAKAMI」とステンレスの切り文字。普通に考えて「村上」だろう。若くて稼げる職業と言えば、開業医。

「村上＋医院」「村上＋クリニック」で、スマートフォンで検索する関。

村上内科クリニック、村上整形外科、村上歯科医院、村上アニマルクリニック、村上デンタルクリニック、形成外科村上クリニックなどが表示された。

「時間も時間ですし、どうですか、皆さんで、昼飯でも」

反町が話すと、

「いいですな」

と、答える重村。うなずく斎田。

「ご一緒させていただきます」

関は答えて、

「表札が『MURAKAMI』とあったので、稼げると言えば、ドクター。開業医ということでネット検索してみましたが、結構、数が多いですね」

と、話すと、

「そうだろうね。村上なんて多い苗字だからね。瀬戸内なら『村上水軍』だろうし、信州にも戦国時代に『村上義清』って戦国大名もいたからね」

と、うんちくを話す重村。

「若いうちから稼げるのは、間違いなく開業医。産婦人科医とか、眼科、整形外科が儲かると聞くが、3,000万くらいかな。あとは、歯科医は一昔前は稼げたが、最近はどうだろう？ま、年収5,000万とかは、ざらにいるだろうが」

と、話したのは資産運用のプランナーの反町。

「歯科医の方が稼げるのですね？」

と、関が聞くと、

「そうだね。そのかわり、歯科医は独立開院が前提だけどね」

と、反町が答えた。

「『歯科医、村上、開業医、若い』で検索してみます」

と、関が話した。

「歯科医の開院は自宅から遠いところは稀だから、この辺り限定で検索して」

と、アドバイスする反町。

「ここですかね～。『矯正・審美・村上デンタルクリニック』が近いです」

と、話しながら、クリックする関。

「医師は？」

と言いながら、医院長の紹介をクリックして、確認する関。