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第7章 情報収集の結果

「これから開業なのですか？」

と、聞くと、

「そうだよ。愛媛県に村上歯科医院というのがあるのだけど、そこがお父さんの医院で、お兄さんが大阪で開業したと聞いている。お兄さんが海外で矯正歯科の勉強に行っている間は、弟の旦那さんが代理で医院長をしていたのだけどね。お兄さんが帰国するということもあって、今度、別に近くで開業するらしい」

と、話す真一郎。

「ということは、代々の歯科医ですか？」

と、聞くと、

「そうなるな。祖父、父、叔父、兄が歯科医だからね。旦那さんは、すぐそこで歯科医院を建設されていて、この間まで働いていたお兄さんの歯科医院では、予約が取れないほどの人気。40歳くらいのイケメンの先生で、笑顔が素敵だとかで、若いママが子供を連れて歯科矯正に通ったり、ママ自身が審美で通ったりで、羽振りがいいみたいで」

と、なぜか、誇らしげな真一郎。

「それで奥様も○○女学院大学となると、この辺りの名家ですか？」

と、聞くと、

「この辺りじゃない。奥さんの実家は、岡山だよ。妹尾家といって、岡山県の旧家で本家は、源平武者以来の家系だからな」

と、真一郎は、この時もなぜか誇らしげだった。このとき、関は知らなかったが、大分県出身の佐伯家と愛媛県出身の村上家、岡山県出身の妹尾家は遠い先祖が親戚関係だったのだが、余談。

ある程度、話を聞けて、余り深入りすると、疑念を持たれても困るとばかりに、退散した関。

仕入れた情報は、旦那が愛媛県の出身で、あの女性は岡山県の出身ということ。旦那は、開業予定で、旦那が医院長をしている村上デンタルクリニックは、旦那の兄の歯科医院だということ。そして、女性は、〇〇女学院大学卒業の才媛ということ。あと、旦那の家系は、代々歯科医ということ。