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わたしの昼下がり
第5章 募る想い
 △井にしても相性は悪くなかったのではないでしょうか。初見のわたしに三度は射精していったのですから。だからこそ再訪を約束していったのでしょう。職場の上司とはごくまれにそのようなこともあったような気がしますが、少なくとも夫は三度も…。

 いえ、もう夫と比べるのは止しましょう。△井にとってはそれが普通のことなのかもしれませんし。それにしてもこんな気持ちにさせておいて二週間後だなんて…辛い。

 ようやくわたしは思い至りました。△井にはきっとあちこちにわたしのような女がいるのでしょう。あちこちの団地を訪ねては、まぐわう女を作っているのかもしれない…。その顔触れに加えられたのなら…光栄とまでは言わないけど、悪くはないと思いました。順番が回ってくるのは二週間に一度というのは耐え難いのですけど。でも、二週間に一度といっても夫との頻度よりはよほど多いのですから、ほどほどの間合いということなのでしょうか。

 「二日後」でも、せめて「一週間後」でもなく「二週間後」。一年後ではなかっただけマシなのでしょうか。もとより彦星と織姫などではありません。男をくわえ込みたいと願っていた三十代も半ばにさしかかった女が、思っていたような男に出逢ったのです。逢えるものなら毎日でも逢いたい…。毎日でもシたい…。井戸端会議のメンバーの目につくことを気にするからと言って十四日なんて長過ぎます。彼女たちの記憶を消すなんて、三日もあれば十分ではないでしょうか…。

 『一目見て奥さんとは『オトナの付き合い』ができると思ったんですよ。思ったとおりでした』

 △井はそう言っていました。『オトナの付き合いができる』女って、要は『都合のいい女』ってことですよね。男にとっての都合のいい言い訳に過ぎないとわかっていても、なぜか褒められたかのような気分にさせられてしまいます。巧妙に自尊心をくすぐられてしまっているだけとはわかっているのですけど。それにわたしにとっても△井は『都合のいい男』なのだから…。
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