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わたしの昼下がり
第21章 連れ込み旅館で(1)
 映画会の日が来ました。いつもの時間に、夫が出て行きます。娘たちには夏休みの宿題を進めるように言いました。今日は映画という『ご褒美』があるせいか、素直に勉強机に向かっています。

 映画館がある『みどり台』は、団地からバスに乗って、そして電車に乗り換えて20分ほどのところです。駅の名前は以前は違ったようですが、デパートを立てたり郊外住宅を造成したりして、名前も新しくしたと聞きました。団地のバス停の時間を確認して、わたしも家事に取り掛かりました。

 家を出る時間が近づいて、早めのお昼ごはんを済ませました。映画はこどもたちだけで観ることは伝えてあります。上の娘も下の娘も『うん、わかった』と口々に二つ返事だったので、助かりました。鑑賞券は井戸端会議の奥さまの誰かからもらったことにして、二枚だけだったので、子どもたちだけで見ることになった…そんな理屈を考えていました。

 わたしは、鏡台に向かってお化粧をします。今日はいつもの近くのスーパーマーケットではなく、電車に乗ってデパートでお買い物をしないといけないのだから、いつもより入念に…そんな他愛もない言い訳を思いながら。久しぶりに引いた口紅の色がやけに紅く見えました。街中へ出る名目があることがありがたく思えました。

 仕度を終えて、外に出ると夏らしく青空が広がっています。バス停にはわたしたちだけで、同じような親子と鉢合わせすることもありませんでした。バスに乗って駅に着き、予定通りの電車に乗り換えて『みどり台』に着きました。

 駅を出ると、すぐ前にはデパートがあります。大きな通りがまっすぐ伸びていて、映画館はしばらく歩いたところにあるはずです。歩き出そうとしてわたしは思わず足を止めました。デパートから出てくる△井が目に入りました。

 「ママ、どうしたの?」
 「え? ううん、なんでもないわ…」

 △井はデパートで何か買ったのでしょうか、手提げ袋を持っています。一瞬、目が合ったような気がしましたが、△井はそのまま歩いていきます。わたしたちと同じ方向へ…。わたしたちのような子供連れが何組か歩いている向こうに△井の背中が見え隠れしています。期せずして、△井に先導されて映画館に向かう格好になりました。
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