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わたしの昼下がり
第21章 連れ込み旅館で(1)
 映画館が見えてきました。△井が映画館に入って行きます。わたしたちも映画館に入りました。前の回の上映が終わったところのようで、中から親子連れがぞろぞろと出てきています。わたしたちと同じ回で映画を見る親子連れが、ポップコーンや飲み物を手にした入場を待っています。さりげなくロビーを見渡しましたが△井の姿は見えません。

 「ジュース飲んでいいんでしょ? ポップコーンも」

 娘たちに促されて、わたしもポップコーンと飲み物を買って列に付きました。係りの人が現れてチケットをもぎり始めます。

 「じゃあ、ママ、デパートでお買い物してくるから、終わったらここで待っててね…」
 「うん、わかった」

 チケットをもぎってもらうと、娘たちにポップコーンと飲み物を渡して、中に入って行くのを見送りました。もう一度、辺りを見渡すと、△井が柱にもたれて立ってこちらを見ています。今度こそ視線が合うと、△井がニヤッと笑って外に出て行きます。わたしも距離を置いて後を追いました。

 △井は映画館を出ると、駅やデパートがある方向に歩いていきます。そして、途中で角を右に曲がりました。わたしも後に続いて狭い路地に入って行きました。△井の歩みが徐々に遅くなり、わたしとの距離が近くなっていきました。

 △井が今度は角を左に曲がります。駅前の再開発から取り残された昔からある歓楽街のような雰囲気です。道幅がさらに狭くなって人の気配もほとんどなくなりました。歩いていた△井が立ち止まって振り向くとスッと消えました。消えた先に古びた連れ込み旅館がありました。

 △井が曇りガラスの入った引き戸を小さく開けて待っています。小走りで追いつき一緒に中に入ると△井が戸を閉めました。壁には札が十枚ほど掛かっていて、部屋の名前が書かれています。黒い札と赤い札が半分くらいずつ。

 「さっきよりも埋まってるな…。お盛んなことで」

 そう言いながら、△井が黒い札の一枚をひっくり返して帳場に告げました。

 「潮騒。二時間」
 「〇千円です」

 歳の行った女の人の声がして、△井が千円札を小さな窓に差し入れると鍵が渡されました。帳場から女の人が出てきて、『潮騒』と書かれた小さな紙が画鋲で止めてある靴箱にわたしたちの靴をしまいました。
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