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愛の笛
第10章 レセプション
二人の女を抱いてしまい、草薙は時差ぼけも関係なく睡魔に襲われてそのまま気絶するように眠った。
翌朝、窓から射し込む陽光で目を覚ました。
「いかん!寝坊してしまうところだった!」
急いで身支度をして階下に降りてゆくと
主の老人は安楽椅子に腰かけて朝刊の新聞を読んでいた。
「おはようございます…」
二人の女は絶叫のようなあえぎ声を上げていたのだ、
きっと隠れて秘め事をしていたとバレているに違いない。
どうにも気まずくて老人と目を合わすことができない。
「君が泊まってくれて家内も孫娘も機嫌がいいんだ」
草薙が会話を始めないものだから、
老人は焦れたように口を開いた。
主の老人が女性たちが機嫌がいいと言ったのを裏付けるように
キッチンからは楽しげな笑い声と朝食のいい匂いがしてきた。
「ご主人…僕はあなたに謝らなければならない」
罵声を浴びせかけられ、数発殴られるのを覚悟で昨夜の事を打ち明けて謝ろうとした。
「謝る?はて?君に謝られる筋合いはないけどな」
コーヒーを一口すすりながら「この村は若い男たちが出稼ぎで村を出ていっているものだから、女たちは夜な夜な淋しい思いをしているのだよ。
儂が若けりゃ相手をしてやれるのだが、あいにくと現役は引退したからね」そう言ってセックスなんてバンバンすりゃいいんだよとウィンクをしてくれた。
「あらあら、楽しそうに会話をしているのね」
ベロニカがトウモロコシの粉で焼いたパンケーキをテーブルに並べながら昨夜は何もなかったかのように接してくれた。
ただ、サーシャだけは草薙に気があるのか
コーヒーをカップに注ぎながら草薙に熱い視線を送り
目が合うと顔を真っ赤に紅潮させた。
『へえ~、肌が黒くても頬を染めると赤くなるってわかるんだなあ…』
恥じらうサーシャを見ていると、
黒人の女性には興味がなかったはずなのに
草薙の心はときめいた。

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