この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
誰にも言えない、紗也香先生
第2章 3回目のレッスン

シャワーの音が、静かに心を包む。
湯けむりの向こうで、私の記憶がそっと息をする。
…雄くん。
あの声、あの眼差し、触れられたぬくもりが
肌の上に、まだ残っている気がした。
バスタオルを体に巻き、
少し冷えた足音を忍ばせながら部屋へ戻る。
ベッドの端にそっと置かれた、あの紙袋。
それを開く指先が震えた。
黒いレースのガーターストッキング、
緋色のリボンが秘められた下着、
背筋をなぞるようなドレス、
そして、ピンヒール。
ひとつ、またひとつと身につけるたびに、
鏡の中の私が、知らない誰かに変わっていく。
恥ずかしいはずなのに、どこか抗えない高鳴り――
「行くしかない、ね……」
リザの低く囁く声がまだ耳に残っていた。
写真――あのメール――
でも、それだけじゃない。
何かに引き寄せられている。
それが、何かまだ私にはわからない。
夜が深まるほどに、
私は毛布にくるまりながら、
甘い息をひとつ、またひとつ漏らしていく。
静かに、でも確かに、
胸の奥に灯った火が、消えることはなかった。
湯けむりの向こうで、私の記憶がそっと息をする。
…雄くん。
あの声、あの眼差し、触れられたぬくもりが
肌の上に、まだ残っている気がした。
バスタオルを体に巻き、
少し冷えた足音を忍ばせながら部屋へ戻る。
ベッドの端にそっと置かれた、あの紙袋。
それを開く指先が震えた。
黒いレースのガーターストッキング、
緋色のリボンが秘められた下着、
背筋をなぞるようなドレス、
そして、ピンヒール。
ひとつ、またひとつと身につけるたびに、
鏡の中の私が、知らない誰かに変わっていく。
恥ずかしいはずなのに、どこか抗えない高鳴り――
「行くしかない、ね……」
リザの低く囁く声がまだ耳に残っていた。
写真――あのメール――
でも、それだけじゃない。
何かに引き寄せられている。
それが、何かまだ私にはわからない。
夜が深まるほどに、
私は毛布にくるまりながら、
甘い息をひとつ、またひとつ漏らしていく。
静かに、でも確かに、
胸の奥に灯った火が、消えることはなかった。

