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誰にも言えない、紗也香先生
第4章 彼の初めての「答え」

土曜の朝、レッスンの日。
ベランダの薄光が、紅茶の湯気を柔らかく揺らしていた。
私はカップを持ったまま、ぽつりと囁いた。
「……おれだけの……」
あの子の、あの言葉。
唇の端をくすぐるような響きに、胸の奥がきゅんと疼く。
――"先生"じゃなくてもいい、"猫"でもいい。
彼の手の中で、そっと喉を鳴らして甘えられるなら。
ワードローブから取り出したのは、初夏に似合う透け感のある薄手のニット。
大胆に開いた背中には、貼るタイプのブラを忍ばせて。
素足に絡むサンダルのストラップが、今日の私を少しだけ冒険に誘う。
鏡の前で、彼の顔を思い浮かべながらリップをひく。
――彼の「先生」になる準備じゃなく、彼だけの「女」になる準備。
プリントを鞄に入れ、駅へと向かう足取りは、どこか踊るようだった。
彼のアパートの扉を開けると、
勇くんは、シンプルなTシャツと短パン姿で私を迎えてくれた。
エアコンのない部屋には、夏の気配がじんわりと漂っている。
私は静かにアウターを脱ぎ、背中をさらけ出した――
言葉はない。けれどその後ろ姿は、問いかけるように語っていた。
「どう……? 私の背中、きれい……?」
部屋の空気が、少しだけ熱を帯びていく。
それは、夏のせいじゃない――
ベランダの薄光が、紅茶の湯気を柔らかく揺らしていた。
私はカップを持ったまま、ぽつりと囁いた。
「……おれだけの……」
あの子の、あの言葉。
唇の端をくすぐるような響きに、胸の奥がきゅんと疼く。
――"先生"じゃなくてもいい、"猫"でもいい。
彼の手の中で、そっと喉を鳴らして甘えられるなら。
ワードローブから取り出したのは、初夏に似合う透け感のある薄手のニット。
大胆に開いた背中には、貼るタイプのブラを忍ばせて。
素足に絡むサンダルのストラップが、今日の私を少しだけ冒険に誘う。
鏡の前で、彼の顔を思い浮かべながらリップをひく。
――彼の「先生」になる準備じゃなく、彼だけの「女」になる準備。
プリントを鞄に入れ、駅へと向かう足取りは、どこか踊るようだった。
彼のアパートの扉を開けると、
勇くんは、シンプルなTシャツと短パン姿で私を迎えてくれた。
エアコンのない部屋には、夏の気配がじんわりと漂っている。
私は静かにアウターを脱ぎ、背中をさらけ出した――
言葉はない。けれどその後ろ姿は、問いかけるように語っていた。
「どう……? 私の背中、きれい……?」
部屋の空気が、少しだけ熱を帯びていく。
それは、夏のせいじゃない――

