この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
誰にも言えない、紗也香先生
第5章 川沿いのキャンディゲーム

朝、リザから短いメールが届いた。
「例の鍵を持って、放課後、駅のロッカーへ――中のものを、取って」
指先が一瞬震えた。あの夜の記憶が、氷のように冷たく、けれど甘くよみがえる。
跪いた私、氷から取り出した小さな鍵、背後で縛られていた柔らかな痛み。
放課後、指示された小さな駅で、私は静かにロッカーを開けた。
中にあったのは、ひとつのシェービングフォームと、光沢のあるカミソリ。
それをそっとバッグにしまい、何もなかった顔で電車に乗った。
夕暮れ、お風呂場の床にしゃがみこみ、ミントの香りが湯気と混ざる。
泡が肌を撫でるたび、不思議な冷たさが神経に広がって、
知らない私が、そこにいた。
鏡に映る自分の奥、
草が払われるようにして、ひとつの濡れた花が、そっと姿をあらわす。
はにかむようなそれに、私は戸惑いながら、カメラを向けた。
数分後、リザから届いた返信は――
「とても綺麗。明日、ご褒美を用意してあるわ。」
それだけで、心臓がひとつ跳ねた。
「例の鍵を持って、放課後、駅のロッカーへ――中のものを、取って」
指先が一瞬震えた。あの夜の記憶が、氷のように冷たく、けれど甘くよみがえる。
跪いた私、氷から取り出した小さな鍵、背後で縛られていた柔らかな痛み。
放課後、指示された小さな駅で、私は静かにロッカーを開けた。
中にあったのは、ひとつのシェービングフォームと、光沢のあるカミソリ。
それをそっとバッグにしまい、何もなかった顔で電車に乗った。
夕暮れ、お風呂場の床にしゃがみこみ、ミントの香りが湯気と混ざる。
泡が肌を撫でるたび、不思議な冷たさが神経に広がって、
知らない私が、そこにいた。
鏡に映る自分の奥、
草が払われるようにして、ひとつの濡れた花が、そっと姿をあらわす。
はにかむようなそれに、私は戸惑いながら、カメラを向けた。
数分後、リザから届いた返信は――
「とても綺麗。明日、ご褒美を用意してあるわ。」
それだけで、心臓がひとつ跳ねた。

