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誰にも言えない、紗也香先生
第2章 3回目のレッスン

おばちゃんが階段をのぼり、再び現れたとき――
その腕に抱えられていたのは、黒い革の、少し艶のあるクッション。
長く、大きく、柔らかそうで、
まるで――バナナボートのような、不思議な形。
真ん中に、白く浮かぶ顔のような膨らみがある。
見たことのない形だったけれど、きっと安定のための支えだろう。
そう思って、私はそっと、その上に腰を下ろした。
――けれど、
……あれ?
柔らかく沈むクッションの奥、
真ん中の突起が、服越しに私の体を押し上げた。
まるで、秘密を知っているような形。
……ちょっと、恥ずかしい……
おばちゃんはすぐに一階へと戻っていった。
この部屋には、私ひとり。
自由にならない腕。
ほんの少し重なる革の感触。
擦れた拍子に、胸の奥にくすぐったい波紋が広がる。
だめよ、先生なのに……
けれど思考とは裏腹に、身体は微かに揺れた。
リズムに似た動きで、
まるで何かを忘れようとするみたいに。
窓の外には、春の西日が滲んでいて、
その光の中に――
クッションの上で揺れる私の影が、
静かに、淡く、壁に映っていた。
どうして、こんな気持ちになるのかしら……
その答えを探すには、まだ少しだけ時間が必要だった。
その腕に抱えられていたのは、黒い革の、少し艶のあるクッション。
長く、大きく、柔らかそうで、
まるで――バナナボートのような、不思議な形。
真ん中に、白く浮かぶ顔のような膨らみがある。
見たことのない形だったけれど、きっと安定のための支えだろう。
そう思って、私はそっと、その上に腰を下ろした。
――けれど、
……あれ?
柔らかく沈むクッションの奥、
真ん中の突起が、服越しに私の体を押し上げた。
まるで、秘密を知っているような形。
……ちょっと、恥ずかしい……
おばちゃんはすぐに一階へと戻っていった。
この部屋には、私ひとり。
自由にならない腕。
ほんの少し重なる革の感触。
擦れた拍子に、胸の奥にくすぐったい波紋が広がる。
だめよ、先生なのに……
けれど思考とは裏腹に、身体は微かに揺れた。
リズムに似た動きで、
まるで何かを忘れようとするみたいに。
窓の外には、春の西日が滲んでいて、
その光の中に――
クッションの上で揺れる私の影が、
静かに、淡く、壁に映っていた。
どうして、こんな気持ちになるのかしら……
その答えを探すには、まだ少しだけ時間が必要だった。

