この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
誰にも言えない、紗也香先生
第5章 川沿いのキャンディゲーム

土曜の午後。
白いカーテンがゆれる小さな部屋で、
私は勇くんに英語を教えていた。
いつもより少し真剣な声。
けれど、その視線が私の指にふれたとき、
空気はふっと甘く変わる。
…私の中の、ツルツルの花――
それは、まだ彼には内緒にしていたい。
だから、今日もキスだけ。
長くて、柔らかくて、優しい、ふたりだけの約束のキス。
「これ以上は、だめ…よ」
そう言いながら、名残惜しそうに、彼の指をほどいた。
一階に降りると、おばちゃんが嬉しそうに言った。
「前にね、先生に来てもらってから、お客さん増えてね。
今度ね、新商品のモデル…バイトなんだけど、どうかしら?」
「えっと……考えておきますね」
笑って答えながら、心の奥は少しだけ高鳴っていた。
もし顔ばれしなければ――
そんなスリルも、悪くないかもって。
あの子には見せない、もうひとつの私。
誰にも知られていない、小さな冒険。
白いカーテンがゆれる小さな部屋で、
私は勇くんに英語を教えていた。
いつもより少し真剣な声。
けれど、その視線が私の指にふれたとき、
空気はふっと甘く変わる。
…私の中の、ツルツルの花――
それは、まだ彼には内緒にしていたい。
だから、今日もキスだけ。
長くて、柔らかくて、優しい、ふたりだけの約束のキス。
「これ以上は、だめ…よ」
そう言いながら、名残惜しそうに、彼の指をほどいた。
一階に降りると、おばちゃんが嬉しそうに言った。
「前にね、先生に来てもらってから、お客さん増えてね。
今度ね、新商品のモデル…バイトなんだけど、どうかしら?」
「えっと……考えておきますね」
笑って答えながら、心の奥は少しだけ高鳴っていた。
もし顔ばれしなければ――
そんなスリルも、悪くないかもって。
あの子には見せない、もうひとつの私。
誰にも知られていない、小さな冒険。

