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誰にも言えない回顧録
第1章 32歳 専業主婦
実家は広々した二階建て。
義父は3人きょうだいの真ん中で、姉と妹とがいた。
総勢5人で住んだ場所としては広からず狭からずといったところだけれど、今は祖父に先立たれた祖母がひとりスペースを持て余しながら暮らしている。

義父の帰省を受けてそれぞれの家族も訪ねてきていたため
私たちが到着したころには随分と人口密度の高い空間になっていた。

皆私が内心ひそかに今回を最後の対面と思っていることとは知る由もなく
「おー、ちーちゃんお帰りー」などと明るい挨拶に出迎えられる。

賑やかに騒ぎながらじゃれついてきた従弟妹たちはまだまだ小さい子を含め皆年下。
私の姿を見て無邪気にはしゃいでくれている。
この子たちとこんな風に過ごすのも最後なのだな、と思うとまた感傷が込み上げる。

おばあちゃんも元気そう。
ずっと優しく接してくれて本当にありがとう。
どうかこれからもお元気で。
口には出さないがそんな思いで挨拶を交わす。
向こうはどんな思いでいるだろうか。

皆と言葉を交わしながらも、私の視線は「彼」の姿を探していた。
どうしても会いたかった人がいた。
義父の妹、つまり義叔母の夫であった。

いや
私は彼と会える機会だからこそ、無意識なまま有形無形に与えられるであろう「家族」の「冷遇」を百も承知でその帰省に臨んだと言ってもよかったくらいなのだ。


あれ、来てないの。
どこにも見当たらないのでとうとう義叔母に尋ねてしまった。
残業続きで疲れ果てて眠そうだったから、皆揃って食事にする時まで休ませようって2階で寝かせている、と聞かされほっとする。
来ているのだ。

様子を覗きに行きたかったがそれも妙に不自然だ。
私は皆が談笑している1階のリビングと間続きになっている和室の座卓に静かに座り、たまにじゃれてくる従弟妹たちの相手をしながらおとなしく過ごしていた。
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