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誰にも言えない回顧録
第2章 28歳 大学職員
私は米国人の父と日本人の母の間に生まれた。

生まれも育ちも日本だし、言葉遣いから意識から自分ではなんの変哲もない人間だと思っている。
だが風貌に若干父の影響があることから、身の回りで特別扱いされることも多かった。
今は時代も変わってきているけれど、少なくとも私が子供の頃はまだそうではなかった。

同世代の子供たちに比べ早熟の傾向があったこともずっと悩みの種だった。
胸は小学校に上がってほどなく膨らみ始めたし、3,4年生の頃にはもう下腹部にブロンドの陰毛がうっすら生え始めていた。
当時の写真を見ても、われながらこれは普通の子供としては扱ってもらえないな、と思うくらい大人びている。

小学校の卒業を待たずに、もう母の服を着たりすると大人と間違われるような経験も多々あった。
それもそれで素敵なことだけれど。

だがそのせいで苦心した。
学校で同級生はもちろんのこと、時には教師からすら露骨に好色の視線を向けられた。
街を歩くとなればさらに言うに及ばない。
内気な性格だった私はそこを逆手に取るような大胆さも持てず、ただただ嫌悪感を隠して耐え忍ぶしかなかった。

家庭の問題もあった。
米国から仕事の都合でやってきた日本で母と知り合い、結ばれた父。
だが良好な関係は長くは続かなかったらしい。
入籍の手続も取り、私は実子として認知されてはいた。
が、私が物心ついた時には既に母は私と実家で暮らしており、父とは離婚まではしないままに別居していた。
実家とは言っても既に祖父は亡くなっており、祖母は病気でずっと入院したまま。
実質母と私の二人暮らしだった。

父は娘の私から見ても容姿端麗な紳士だった。
私にとって大好きなパパだった。
とはいえ行く先々で女性にもててしまうことは母の不興を買う要因になったようだ。

それでも幼いころから父は週に一度は必ず訪ねてきていた。
幼い頃は予め連絡が入り在宅を確認して訪ねてきていたのだが、顔を合わせると母がなんのかんのと難癖をつけて不穏な空気になるため、次第に母が仕事で出ていて私一人帰宅している時間帯にやってくるようになっていった。

いつも優しい笑顔で接してくれ、しばしば思いがけないプレゼントをくれたりする。
パパが来るのは当時の私の大きな楽しみだった。

帰宅した母も、二人で楽しそうに過ごしているところに直面すると何も言えなくなるのだった。
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