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誰にも言えない回顧録
第1章 32歳 専業主婦
好意、と言ってしまうとおかしな気もするが、実際のところ恋慕の情に近いのかもしれない。
家庭的な愛情の実感に飢えていた私にとって、安心して心の隙を見せて甘えてしまえる対象として、義叔父の存在はちょっと特別なものだった。
そしてその思いは常に心の中にあるようになった。

あまり勉強は好きではなかったので、ようやっと進学した高校はやんちゃな友人に事欠かない環境ということになった。
私もすっかり周囲に馴染んでしまい、髪を染め、それなりの化粧などもするようになった。

体つきが目立ったせいか言い寄ってくる先輩や同級生はそれなりにいたけれど、なぜだか私は心楽しまず、惹かれることがなかった。
なんとなく子供に見えてしまって鼻白む気持ちになるのだ。
根底には、大人の男を求めてしまう自分がいたように思う。

そこまで自分の心に大きな影を落としてきた存在なのに、今回の帰省が終わればもう大っぴらに義叔父と対面する機会もなくなると思われるのだ。

もっと甘えておきたい。
自分のことを受け止めてもらえる感覚をまた味わいたい。
そう思うと矢も楯もたまらなかった。

私は叔母に、会話の流れでさりげなく皆で泊まっていけばいいのに、とねだった。
私来年には社会人だしそうそう来れなくなるかもだし、とも。

叔母も自分の実家の話だ。
二つ返事で快諾してくれた。
来れなくなるかも、と口にした私の感傷には何も気づいていないようだったが。


いつの間にか夕方に近くなり、ずいぶん長い午睡から覚めた義叔父が階下に降りてきた。
やぁ久しぶり。
義父とのぎこちない関係性など斟酌せず、屈託なく挨拶をくれる笑顔が心地いい。
おっ、ちょっと瘦せたんじゃない?などとおだてながらさりげなく胸元にも視線を走らせたのも嬉しく思えた。
興味を惹けているんだ、ということをあらためて実感できたから。


外食に行こうという話だったはずが、唐突に近所の神社でちょうどお祭りをやっているはずよ、と祖母が言い出した。

私も昔連れて行ってもらった記憶がある。
さほど大きくはないのだが古くからある格式ある神社で、お祭りの時には屋台が並んで賑わう。
散歩がてら行って、何か食べてきてもいいね。
まだ明るさが残る中、ぞろぞろと皆連れ立って歩いて向かうことになった。

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